恋の数だけハッピーエンドがある

愛の輝き』よりも『見えない波紋』が売れる?

日本で出版されているハーレクイン・ロマンスの作品は、すべてハーレクインの本国アメリカで刊行されたものの翻訳になっています。ではタイトルはどうやって決めているのか。実は原題をそのまま翻訳したものではなく、時にはまったく違ったテイストになることも多いのだそうです。はたしてその理由とは?

【ハーレクイン豆知識:日本語タイトル】

ハーレクイン・ロマンスのタイトルは編集部で何本もアイデアを出し、その中から多数決で決定します。翻訳小説なので英語の原題は存在していますが、必ずしもそれをなぞったものになるとは限りません。

今回の『見えない波紋』も、原題は『THE SHINING OF LOVE』。日本では、明るくポジティブすぎるタイトルよりも少し影のあるものの方が良く売れるため、あえてまったく違うテイストにしているのです。

Sunset & Ripples
Sunset & Ripples / Anupam_ts

【作品紹介】

『見えない波紋』

スザンヌは夫と安定した結婚生活を送っていた。ある出会いが彼女の心を波立てるまでは。町にやってきた、ワイン会社の御曹司リース・カルーと強烈に惹かれあうスザンヌ。それでも乱れる想いを殺し、やみくもに彼を拒み、決別したスザンヌを、夫の突然の病死が襲う。そして訪れる、運命の再会。だが皮肉にも、リースの傍には、既に美しい婚約者が寄り添っていて……。


 リースとスザンヌは、結婚を急がないことにした。

 ずっと離れ離れでいたのだから、スザンヌとマデリンはしばらく一緒に過ごして当然だとリースが主張し、三カ月くらい待ってもいいだろうという話になったのだ。バロッサ・ヴァレーからなら、リースもアデレードまで仕事に通えないわけではない。

 エイミーはまわりのみんなから愛情を注がれて、花開くような成長を見せた。

 ジェブとスチュアートはスザンヌが姉だと知って感動し、兄がスザンヌを妻にしようと決めたのが断然正しかったと即座に言いきった。さらに、よくスザンヌを連れてきてくれたとの賞賛も加えられた。もちろん、真実を見つけ出した栄誉はしっかりとトムに与えられた。

 スザンヌが実の母親に心引かれる感覚は日を追って強くなった。初めマデリンは愛情を求めることに慎重になっていたが、スザンヌは愛情を示されても全然いやではないからと、彼女を安心させた。

 リースと父親との関係もこれまでの堅さが取れて、ほのぼのとした優しいものになった。家全体にくつろいだ幸せな雰囲気が感じられるようになり、ガートルードはそれについてこのうえない満足顔でこう言った。

「あなたに来ていただいてよかった」

 スザンヌに晴れやかな笑顔を見せた。

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恋の数だけハッピーエンドがある

ハーレクイン・ロマンス

数々の恋愛小説を世に送り出し、女性たちに癒やしを届けてきたハーレクイン・ロマンス。なんと、これまでに出した全ての小説は必ずハッピーエンドを迎えるのだとか。今回はそんなハーレクインの日本上陸35周年を記念して、人気の35作品の見どころを...もっと読む

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