将来大人になったとき、いったいどんな職業につけばいいのか? それはいつの時代を生きる若者にとっても切実な課題でしょう。僕自身、高校卒業の時点では、まだ何になるのかなんて皆目見当がつきませんでした。当時の僕について弟は「チンピラヤクザになって刑務所に行くと思ってた」なんて言っていましたが、実は自分でもそんな漠然とした予感に怯えていたのです。
それから30年以上の月日が流れ、気がつくと、もう自分の子供が進路に悩む時期にさしかかっています。もう25年も働いているし、世の中の最先端をずっと走ってきたという自負もあるのに、自分の子供に気の効いたアドバイスひとつできません。
子供にアドバイスをするとしたら
子供らがまだ小さな頃から、「なんでもいいからやりたいことをやればいい」と言ってきました。が、これはアドバイスをしているようでいて、実は何のアドバイスにもなっていません。自信のある子、やりたいことが早く見けられる子はいい。でも、そうでない子のほうがずっと多いのです。自分のことを振り返ってみたって、そんなに簡単に「やりたいこと」なんて見つかるはずもないのです。