これで終わりだ、美しき人よ
これで終わり…ただ一人の友よ、終わりなんだ
自由は君を傷つける
君は決して僕にはついて来ない
その微笑みも、心優しい嘘も…これで終わる
僕らが死のうとした夜も…これで終わる
何もかもが、これで終わる
1966年、23歳のジム・モリソンが書いた別れの詩だ。
この翌年、ザ・ドアーズが発表したデビュー・アルバム『The Doors』のラストに「The End」として収録された。
約12分にも及ぶこの楽曲は、後にフランシス・F・コッポラの映画『地獄の黙示録』の挿入歌として使用され、強烈な印象を世界中に放った(ジムとコッポラ監督はUCLA映画学科時代の同級生だった)。
1971年7月3日。
ジムはパリの自宅アパートのバスタブで“終わり”を迎えたと言われている。
27歳の“謎の死”だった。
遺体の第一発見者は、恋人のパメラ・カーソン。
その年の春、ジムは詩作の環境を求めてパメラと共にアメリカからパリに移住してきたばかりだった。
“客死”として扱われ検死が行われなかったことから、「ヘロインの過剰摂取」と囁かれながらもその死因は未だ明らかにされていない。
3年後。
パメラもオーバードーズで“終わり”を迎えた。ジムの後を追うようにこの世を去った彼女もまた、27歳だった。
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