第七回】天気予報としてのアクセス解析:あなたは空・雨・傘のどれについて話しますか?

今時ウェブ運営に絶対欠かせないアクセス解析。でもあなたは、その使い方をちゃんとわかっていますか? アクセスデータを見て満足しているようでは、せっかくのデータが水の泡。今日から使える実践的アクセス解析の利用方法を、田端さんが教えてくれます!

アクセス解析なしに運営するウェブ会社は、レーダーなしのジェット機のようなものである

さて、今回からはアクセス解析とKPI設定がテーマです。

病院に入院した患者が毎日体温と血圧を測られるように、ウェブサイトに代表されるデジタルメディアにおいてPVやUUを測定するアクセス解析や、その数値を活用したKPI(Key Perfomance Indicator)の設定は大変に重要です。なぜなら、これらが日々の業務運営の「バイタル・チェック」だからです。現代の航空機は、パイロットの目視だけでなく、計器やレーダー、GPSに頼って飛行します。この「計器飛行」のお陰で、夜間や酷い雪のような視界がほとんどない悪天候でも、旅客機は安全に飛行することが出来るようになりました。デジタルメディアにおけるアクセス解析とは、つまりは、ジェット旅客機におけるレーダーや、高度計といった計器飛行を可能にするコックピット画面のようなものです。

もし、本稿をお読みの商業的なウェブサイトの運営担当者で、アクセス解析をそもそも導入していない、という方がいましたら、それは、レーダーや計器なしに、毎日目視飛行で旅客ジェット機を飛ばしているようなものですね。今すぐに導入することをオススメします。

現在、この分野では、Googleが提供しているGoogle Analyticsと、フォトショップで有名なAdobeが提供しているSiteCatalystという2つのサービスが有名です。SiteCatalystは有料であり、かなり高価な利用料がかかりますが、その競合であるGoogle Analyticsは無料です。さらに、その機能は無料とは思えないほどに高度で網羅的であり、楽天やAmazonのような超大規模ECウェブサイトが、テーラーメイドでKPIを設定した運用でもやらない限り、通常のネットメディア運営ならGoogle Analyticsで十分すぎるほどの機能を満たしていると筆者は考えます。

さて、本稿では細かいアクセス解析サービスの使い方を説明するつもりは毛頭ありません。Google Analyticsについては解説本や解説サイトはゴマンとあるので、具体的なマニュアル的知識を求める方は、そちらを参照してほしいと思います。私がこれから書くのは、「アクセス解析担当者は、そもそも自分の仕事に対してどのように取り組むべきか?」という上流工程における気構えについてとなります。

実際に、Google AnalyticsやSiteCatalystの画面を開いてもらえばお分かり頂けると思いますが、あまりにも膨大なデータが、様々な時間軸、切り口で用意されています。これでは、明確に仮説なり問題意識を持って利用しないと、データの海に溺れてしまうこと必至です。そんな「データ溺死」を避けるためにも、サイト全体のアクセスを生み出している構造を大掴みに把握しておくことと、そして「データ⇒インフォメーション⇒インテリジェンス」の3層レイヤーにおける「インテリジェンス」に相当する知識や具体策を産み出すことこそが仕事なのだ、と常に意識してアクセス解析の画面に向かうことが肝要になります。アクセス解析の画面の中をウロウロし、自分でも意味が抽出できていないグラフを印刷することで、仕事をした気になるのは愚の骨頂です。

まずは「データ:data」、「インフォメーション:information」、「インテリジェンス:intelligence」の三つの違いについて説明しましょう。

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