アートアワードトーキョー丸の内2014—東京駅構内で「可能性」に出会う

丸の内の地下構内で行われている、アートアワードトーキョー丸の内2014。ビジネスマンがせわしなく行き交うその場所には、全国から選ばれた約30人の美大生の作品が展示されています。大胆な構図や画面いっぱいの鮮やかな色彩がもたらす非日常と、若いアーティストの「可能性」に触れることのできる本展。刺激的な作品群を前に、つい歩く早さを緩めてしまうはずです。

「なに、これ?」

「アートじゃない? きっと。アートよ、アート」

通りかかった人たちが、歩きながら通路の両側の壁を見て、不思議そうにしています。

「へえ、絵も写真も彫刻も。なんでもあるんだ」

そう言ってしばし立ち止まる人も、かなりいますね。

ここは東京駅の丸の内側の地下構内。丸ビルと新丸ビルのあいだにある、幅広で直線の行幸地下通路です。左右の壁がガラス張りの展示スペースになっていて、「行幸地下ギャラリー」という名で折々さまざまな展示をしています。

とはいえ、とりたてて入口も出口もなし。通路をたまたま歩いていた人も、展示を観に足を運んだ人も、その場に行けば等しく自由に作品を見られます。この気軽な感じ、いいですね。街にすんなりとアートが溶け込んでいます。そもそも作品を観るのに、改めてかしこまる必要なんてどこにもないのです。そんなことを、展示の方法で示してくれている貴重な場だとおもいます。

現在ここで開かれているのは、「アートアワードトーキョー丸の内2014」という展覧会。全国の美大、芸大の卒業・修了制作展をリサーチし、これぞ、というおよそ30人の作品が選別され展示してあります。会期中の4月26日には公開審査が開かれて、展示作のなかから各賞が決定されましたよ。


行幸地下ギャラリー。両壁に作品が並ぶ。

グランプリを獲得したのは、京都市立芸術大学大学院の谷中佑輔。作品は、展示スペースいっぱいにさまざまな色、かたち、素材が広がる不思議なオブジェ様のもの。彫刻作品といえばいいのでしょうか。これが全体で何を表しているのか、各部位にどんな意味が込められているのかは、じっと見ていてもなかなか解読できません。それでも、この色とかたちの塊を、なんだかじっと眺めていられるのはたしかです。


グランプリに選ばれた谷中佑輔の作品

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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コメント

tomosaku 5月25日までか。何かの隙に行ってみよう。> 約4年前 replyretweetfavorite

ab_sn |どこより早い展覧会案内ーーアート・コンシェルジュからの便り|山内宏泰|cakes(ケイクス) このような展示が今はあるのね。巡回展してないの? https://t.co/iHWKxDNp8A 約4年前 replyretweetfavorite