東京で唯一食べられる門外不出レシピのカレー
毎年、ゴールデンウィークに有楽町の国際フォーラム周辺で、クラシックのコンサートを3日間に渡ってやりまくる(なんと総計350本以上)「ラ・フォル・ジュルネ」というイベントが開催されている。今年で10年目の名物企画である。3000円から4000円くらいと、リーズナブルなプライスで高いクオリティのコンサートが聞ける機会とあって、即日完売のコンサートも多数。初日、僕は4つのコンサートを見てきた。ラフマニノフ、チャイコフスキー、ベートーヴェンというメジャーな曲目のあと、〆はピアニストのマルタ・アルゲリッチとヴァイオリニストのギドン・クレーメルの共演という文字通り夢というかマンガの様な組み合わせ。コンサート自体は通常より短めの1時間くらいの尺で、終了後1時間くらいあいてまた次の演目をみるというのを繰り返していくのだが、素敵な音楽を聞いていたところで、当然人間腹は減るものである。
国際フォーラムのパティオにはいつもよりたくさんの屋台が繰り出していて、それはそれで楽しいのだが(僕もビールとかソフトクリームを食べた)有楽町で1時間くらいでさくっと食べるものといえば、僕の中にはお決まりがあるのだ。そう国際フォーラムからすぐ、新東京ビル(TOKIA)地下にある「インデアンカレー」である。1947年に大阪に開業した老舗で、大阪を中心に関西には8店舗展開している(適度な規模の)超人気チェーン店である。お水などはアルバイトのおばちゃんがサーブしてくれるのだが、ごはんをよそいルーをかけることができるのは正社員のみ。そしてレシピは門外不出というのが徹底されており全国展開は難しいという話を聞いたことがある。そしてこれまた噂ではあるが、奥田民生が広島からのツアーの帰り、ここのカレーを食べるために新幹線で帰京、大阪で途中下車して食べて帰るという話も。長らく関西にしかお店がなかったが、2005年前述TOKIAのオープンとともに東京に開業。福田和也氏、小山薫堂氏あたりの食通の面々もお気に入りに挙げるほどこちらでも人気店となっている。
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