おばさんから「美魔女」へ
キラキラ系女子は、女性の「賞味期限」を延ばしてきた。その象徴が「美魔女」だ。
女性誌「美STORY」(光文社、現在は「美ST」へ改称)による造語で、35歳以上でも、「魔法をかけたように美しい」という意味で名付けられたものだ。さらに2010年には、「国民的美少女コンテスト」を実施してきたオスカープロモーションと組んで「国民的美魔女コンテスト」を開くことで、認知度を上げた。
「アンチエイジング」ブームも長く続いており、いまどきの多くの中年女性は「おばさん」と呼ばれることを嫌がり恐れる。「おばさん」が蔑称になった大きな原因の一つが、80年代後半に堀田かつひこの漫画『オバタリアン』(竹書房)で、世間に迷惑をかける中年女を揶揄して「オバタリアン」と名付けてヒットしたからだ。中年男性は「おじさん」だけではなく「おやじ」という呼び方もあるが、中年女性にはそれに対応する呼び名がないことも大きいだろう。一方では、今のテレビのバラエティ番組で若い男性芸人たちが「熟女」好きを公言することもあり、「アラフォー」「アラフィフ」の女性たちはバブル時代から今でもメディアの話題から降りることはない。
年齢を「キャラット」にたとえる
女優の川島なお美が「私は女性の年齢をダイヤモンドにたとえて48歳なら48キャラットと表現しているの。40キャラットより50キャラットのほうが輝きが増すのよ」と、10年以上前から発言していたのだが、最近になって「40代女子」「美魔女」ブームの後押しもあって、話題になっている。
「私の血はワインでできている」に並ぶ、川島なお美の名言がこの「キャラット」だろう。
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