「女の時代」のスター 林真理子
上野千鶴子と並ぶ「80年代・女の時代のスター」であり、「アグネス論争」のきっかけの1人となった林真理子は、80年代を代表する女性作家だ。
若手女性コピーライターとしてすでに注目されていた林は、1982年に刊行された処女作のエッセイ集『ルンルンを買ってお家に帰ろう』(主婦の友社)が50万部近いベストセラーになったことで、一気に有名になった。
彼女がこの「女性の時代」の寵児になった理由は、「女性の本音を赤裸々に描いた」からだ。
「ルンルン」のまえがきでは、他の女性が書こうとしない「ヒガミ、ネタミ、ソネミ」を、あえて「言葉の女子プロレスラー」となって書き、これまでの「キレイキレイエッセイ」をぶっこわすと宣言し、それが多くの女性たちに受けたのだ。
このベストセラーでメディアでの露出が一気に増え、フジテレビの初代キャンペーンキャラクターになったり、雑誌ではヌードにもなって、男性向けのメディアにバッシングも受けたりと、とにかく話題の中心であり続けた。
さらに小説を書き始め、1986年には「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞を受賞、さらに見合結婚ののち、不妊治療で出産して、仕事とプライベートの両方で〝女の成功〞を手に入れたのだ。
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