「現代思想ブーム」と「フェミニズム」
ここからは、「女の時代」ブームを支えた「フェミニズム」ブームについて語っていこう。
80年代にフェミニズムがブームだったといっても、若い読者にはピンと来ないかもしれない。
まず、60年代から70年代にかけて、「ウーマンリブ」という女性解放運動が盛んになっていた。そして80年代に、「現代思想ブーム」「ニューアカデミズムブーム」という思想のブームがあり、その流れの一つにフェミニズムもあったのだ。
私は当時文学部で社会学を学んでいたが、「新しい思想」としての「フェミニズム」は学生に人気があり、フェミニズムのゼミも盛んで、各大学で「フェミニズム研究会」が発足していた。
これらには女子学生だけではなく、男子学生も多く参加していた。実際、私が関わっていた早稲田大学のフェミニズム研究会は、男子学生のほうが多いくらいだった。
ちなみにフェミ研と反原発サークル(1986年にチェルノブイリ事故があったことで、反原発運動も盛んだった)を掛け持ちする学生も多かったものだ。
フェミニズムのスター「上野千鶴子」
そんなフェミニズムの大スターが、社会学者の上野千鶴子だった。
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