松井博
終わること、始まること
退職にせよ、人間関係にせよ、「終わらせる」って大変なことです。でも終わらせるからこそ、始められることもあります。今回は、そんな「終わらせるからこそ、始められること」についてです。
人生の中で最も難しい決断、それは何か新しいことを始めることなんかではなく、それまで続けてきたことを「やめる」ことです。特に、「それなりに続いてきたこと」をやめるのは本当に難しいものです。
僕の最初の退職
僕は、これまでに3回転職をしました。初めての転職はまだ25歳のときでした。就職して間もなく肋間神経痛になり、またしばらくすると十二指腸潰瘍を患ったのです。別に会社が飛び切りブラックだったわけでも、先輩や上司が嫌な奴らばかりなんていうわけではありません。その会社はどうしても水が合わなかった。そうとしか言いようがありません。
でも辞める決心はなかなかつきませんでした、就職が決まったときに大喜びした両親の顔。自分で生活を切り盛りする充足感やプライド。自分で稼いだ自由に使えるお金。社会人としてあまりにも短い実績。いろいろな思いが交錯して、どうにも踏み切れませんでした。
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この連載について
松井博
現在、IT革命によって世の中の仕組みが急速に変わりつつあります。産業、政治、就労、コミュニケーション…… 影響を受けない分野はありません。未来はどうなっていくのか、こうした時代が私たちにどんな選択を迫ってくるのか、元アップル管理職の松...もっと読む
著者プロフィール
作家・経営者。2009年まで米国アップル本社勤務。著書に『僕がアップルで学んだこと』、『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 』、『10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える、僕達の仕事のゆくえ』などがある。現在はクパティーノで保育園事業も手がける。
Twitter: @Matsuhiro
ブログ: まつひろのガレージライフ
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