ぼくがジョブズに教えたこと

第3回】あえて今、「メンター」の話をしよう。

ジョブズが「師」とあおいだ起業家としても知られるブッシュネルさんの好評連載、今回のテーマは「社員が才能を発揮できる環境づくり」について。書籍版に収められたアドバイスの中から、今日は「メンターの効用」をご紹介しましょう。クリエイティブな社員ほど、社内の理解を得られず孤立してしまうことは多いもの。ではリーダーはどうするべきなのでしょう? そしてブッシュネルさんのメンターとは?(訳=井口耕二

可愛い子にはメンターをもたせよ

メンターはとても大事だ—言葉が使い古されているからといって、その仕組みも古くなっているとはかぎらない。メンターというとふつうは若者や新しい職についたばかりの人を支援するものだが、実は、メンターを特に必要とするのはクリエイティブな人々である。

クリエイティブということは、つまり、なにかふつうとは違う仕事、革新的で新しい仕事をしていることになる。いいかえると、周囲の人には、なにをしているのか、なぜそうしているのか、どちらに進もうとしているのかなどがわからない。その「なにか」がどういうものなのか、まったく理解できないこともある。

このためクリエイティブな人は、会社と対立しつづけなければならないことが多い。新しい企画を上司に説明して「よくわからないなぁ」といわれたら、それはまちがいなく却下を意味し、心に傷を負う。クリエイティブであれば、くり返し拒絶されるはずだ。

上司には理解できないかもしれないが、会社を前進させるのはそういう企画なのだ。だが、そういう企画を推進しようとした人は矯正され、管理され、押し殺され、うまい監督者のもとで開発すればドル箱に育ったかもしれない企画なのに始めることさえできずに終わってしまうことが多い。

クリエイティブな人を誰かがサポートする体制を作らなければならない。クリエイティブな人を励まし、進むべき方向に進む手助けができる誰かをつけてあげなければならない。つまりメンターである。

いつも拒絶されている、誰もわかってくれないという想いにとらわれ、クリエイティブな仕事ができなくならないようにしてあげる。製品を理解できないかもしれないが、それでも社内の官僚体質と戦ってあげる。クリエイティブな人がなにをしているのか、必ずしもわからなくていい。彼らがそうできるように守ってあげればいいのだ。

メンターがいい仕事をすれば会社にも大きな利益がもたらされる。メンターが失敗すれば、競合他社に市場を奪われる。

メンターは社外に求めてもいい。多くの会社はクリエイティブな人をどうサポートしたらいいかわかっていない。自社がそういう会社であれば、社外でメンターとなってくれそうな人とクリエイティブな社員がつながれるように配慮しよう。

NeXT創業時のジョブズに贈ったアドバイス

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ぼくがジョブズに教えたこと

ノーラン・ブッシュネル

ジョブズが「師」と仰いだ起業家、ついに語る。伝説のベンチャー企業「アタリ」創業者にして、ジョブズのメンターだったことでも知られるノーラン・ブッシュネル。そんな彼の初の著書『ぼくがジョブズに教えたこと』が、5/1に発売されます。「ジョブ...もっと読む

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コメント

mango1001 クリエイターの心が折れないようにすることは、会社の存続に関わること。 約4年前 replyretweetfavorite

Singulith 「クリエイティブな人がなにをしているのか、必ずしもわからなくていい。彼らがそうできるように守ってあげればいい」   https://t.co/QL6BvwCjWq 約4年前 replyretweetfavorite

SH_valdes ハンパなく面白い. 約4年前 replyretweetfavorite

takayuki_togo 「製品や企画の失敗例はなかなかみつからない。成功例はいくらでもみつかる」 なるほど。 約4年前 replyretweetfavorite