必然と偶然

重度の自閉症を抱えながらも、社会を鋭く見つめている作家・東田直樹さんの連載です。
人生に起こった出来事をあとから振り返ったとき、私たちはたびたび、「必然」や「偶然」といった言葉をつかって、その物事を捉えなおそうとします。重度の自閉症を抱えて生きる東田さんは、ご自身が障害をもって生まれたことを、どのように受け止めているのでしょうか。
ふっと気持ちが軽くなるような、今週のコラムです。

 人は生きていく中で、さまざまな困難に、遭遇します。それを「必然」と受けとめるか「偶然」と受け止めるかによって、人生観が変わってくるかも知れません。

 必然と偶然は、まるで正反対のような感じですが、実はとても近い考え方ではないかと思います。

 なぜなら、両方とも物事が起きてから、どうしてそうなったかの理由を後付けするものだからです。その結果、自分にはどうしようもなかったのだ、という答えを導き出そうとします。


 人は何をするにも説明を求めてしまいがちです。それは、人が本能だけでは生きられなくなったからでしょう。
 脳の進化によって人類は、高度な生物になったと考えられていますが、僕はその考えには疑問を抱いています。

 生きるというのは、生物として当たり前のことなのに、いろいろな理由が必要なのは、進化というより、退化ではないでしょうか。

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跳びはねる思考—22歳の自閉症作家が見た世界

東田直樹

「僕は、まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のようなのです。」 会話ができないもどかしさや意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切につづってきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本...もっと読む

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コメント

aratakeshouji なかなか鋭いですね~。 http://t.co/Hc1lbG6ZRp 3年以上前 replyretweetfavorite