第10回 春

合唱部二年生でユーレイ部員の響が合唱部や学校に来れなくなったいきさつを聞いた未来。改めて理真に響について尋ねてみるのだが……。

ボーカロイド楽曲の卒業ソング『桜ノ雨』をモチーフにした小説シリーズの完結編『桜ノ雨 僕らはここで逢おう』の発売を記念して、一部を公開します。
♪『桜ノ雨』動画はこちらから♪


『桜ノ雨』 作詞作曲:halyosy


「未来先生、昨日は急に連絡がきて驚きました!」
「夜分にいきなり電話しちゃってごめんね」
「いいえ全然! わたしも響くんの件で、未来先生とお話がしたかったので……!」  
 日曜日の午後、理真とわたしは駅前にあるカフェにいた。  
 先日からわたしはどうしても響のことが気になってしまい、理真の目から見た彼の話を、もう少し聞いてみたいと思ったのだ。  
 自分的には電話で話せればと考えていた。だけど、直接会って話したいとの理真の申し出により、わたしたちは今こうしてカフェのテーブルで向き合っている。  
 休日の理真は、春物のカーディガンに短めのスカートと、女子高校生らしい服装だ。  
 わたしも休日ということで、肩が凝こるスーツではなく、大学時代から着ている無難な私服でまとめていた。  
 そんなわたしの姿をアイスティーを飲む理真が、正面からまじまじと見ていた。
「未来先生、普段着だと完全に学生と同化しますね」
「えっ!」
「なんだか同級生とお茶してるみたいな気分です」
「……う」  

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桜ノ雨 僕らはここで会おう

雨宮ひとみ /halyosy

もしも初音ミクが音楽教師だったら…。 卒業ソングの定番ボーカロイド楽曲として、250万回以上の再生回数を誇る『桜ノ雨』。この名曲のノベライズ第3弾にあたる『桜ノ雨 僕らはここで逢おう』の発売を記念して、その一部を公開します。

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