「未来先生、昨日は急に連絡がきて驚きました!」
「夜分にいきなり電話しちゃってごめんね」
「いいえ全然! わたしも響くんの件で、未来先生とお話がしたかったので……!」
日曜日の午後、理真とわたしは駅前にあるカフェにいた。
先日からわたしはどうしても響のことが気になってしまい、理真の目から見た彼の話を、もう少し聞いてみたいと思ったのだ。
自分的には電話で話せればと考えていた。だけど、直接会って話したいとの理真の申し出により、わたしたちは今こうしてカフェのテーブルで向き合っている。
休日の理真は、春物のカーディガンに短めのスカートと、女子高校生らしい服装だ。
わたしも休日ということで、肩が凝こるスーツではなく、大学時代から着ている無難な私服でまとめていた。
そんなわたしの姿をアイスティーを飲む理真が、正面からまじまじと見ていた。
「未来先生、普段着だと完全に学生と同化しますね」
「えっ!」
「なんだか同級生とお茶してるみたいな気分です」
「……う」
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