松下幸之助
叱られたら一人前/仕事に命をかける
「職場は人生の道場。かけがえのない人生を、仕事を通じて自分の力で充実させていこう」――松下幸之助の超ロングセラー「心得帖シリーズ」を2冊合本にした『人生心得帖/社員心得帖』(PHPビジネス新書・松下幸之助ライブラリー)から、「中堅社員の心得」を公開します。
叱られたら一人前
人はだれでも、厳しく叱られたり、注意を受けたりするということは、あまり気持ちのよいものではありません。当然叱られるだけの理由があった場合でも、上司に呼びつけられて叱られるというようなことがあれば、その日一日中、なんとなくわだかまってすっきりしない。それがいわば人情で、叱られるより叱られないほうを好むのは、人間だれしもの思いでしょう。
それは叱るほうにしても同じです。部下を叱ったあとの、あのなんともやりきれない気持ちは、管理職の人であれば、たいてい経験していると思います。
しかし、人情としてはそうだからといって、その叱られたくない、叱りたくないという人情がからみあって、当然叱り、叱られなければならないことでも、うやむやのうちに過ごされてしまったならば、どういうことになるでしょうか。一度でもそのような考えで物事が処理されると、あとのけじめがまったくつかなくなってきます。
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この連載について
松下幸之助
「職場は人生の道場。かけがえのない人生を、仕事を通じて自分の力で充実させていこう」――松下幸之助の超ロングセラー「心得帖シリーズ」から、人生と仕事の心構えを説く2冊を合本にした『人生心得帖/社員心得帖』(PHPビジネス新書・松下幸之助...もっと読む
著者プロフィール
パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者、PHP研究所創設者。明治27(1894)年、和歌山県に生まれる。9歳で単身大阪に出、火鉢店、自転車店に奉公ののち、大阪電燈(現関西電力)に勤務。大正7(1918)年、23歳で松下電気器具製作所(昭和10年に松下電器産業に改称)を創業。昭和21(1946)年には、「Peace and Happiness through Prosperity=繁栄によって平和と幸福を」のスローガンを掲げてPHP研究所を創設。昭和54(1979)年、21世紀を担う指導者の育成を目的に、松下政経塾を設立。平成元(1989)年に94歳で没。