天才のつくり方

第9回】日本に「出島」となる大学をつくろう。

日本にいる優秀な学生が自分の能力を生かすには、海外留学しか方法はないのだろうか。それでは日本の人材が流出するばかりだと憂う茂木健一郎に、北川拓也はハーバードに通って気づいた自分の思いを伝える。2人の考える、日本の教育を変革するための具体的な解決策とは?

高校まで日本で育った人材は、鮭のように戻ってくる

茂木 北川はハーバードですごくいい経験をしたと思うんだけど、優秀な学生がみんなそうやって海外に出ていってしまったらまずいよね。「留学」っていうメタファー自体が、もう古い気がする。

北川 わかる気がします。海外に学びに行くしかない、という状況は「日本が遅れている」ということですもんね。

茂木 そうなんだよなあ。しかも、北川が金髪のすごい美人とくっついて、イエーイみたいになったら、もう日本に戻ってこないかもしれないじゃん。

北川 なんですか、「イエーイ」って(笑)。

茂木 北川にとっては幸せかもしれないし、ハーバードやアメリカにとってはいいことなんだけど、日本にとっては頭脳流出だよね。それが続いたら、日本はアメリカの二軍みたいになってしまう。

北川 うーん、金髪美女はともかくとして、日本には学びから得る幸せというのを、感じにくい場所なのは確かですよね。これがちょっともったいないと思います。

茂木 現状は、たしかにそうだね。だからおれは、江戸時代に長崎にあった「出島」みたいな場所を日本につくりたいと思ってるんだけどさ。

北川 でも、ハーバードに8年いて感じたのは、すごくシンプルに「やっぱり日本っていいなあ」ということでしたよ。日本の文化はすごく独特で、海外とは居心地のよさがぜんぜん違う。やっぱり、帰りたくなるんです。ちょっとしたことなんですけど、ふらっと入った焼き鳥屋がすごくおいしくて、しかもサービスもいいとか、けっこう感動します。

茂木 8年いても、そうかあ。

北川 だから、高校まで日本で育てて、あとは海外に出しまくれば、最終的にいい人材が日本に戻ってくると思います。

茂木 シャケ理論だね(笑)。どうせ育った川に戻ってくるんだから、おもいっきり放流すればいい、と。

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天才のつくり方

茂木健一郎 /北川拓也

日本経済が停滞して久しい。一方で、アメリカではIT産業の新しい成功モデルがどんどん生まれている。この違いはどこにあるのか。 ここで登場するのが2人の天才。高校卒業後、8年間ハーバード大学で活動している理論物理学者・北川拓也。一方、1...もっと読む

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