仕事は「自由」を獲得するゲーム
仕事はロールプレイングゲーム(RPG)に似ている。
新入社員は、右も左もわからないレベル1のビギナーだ。まともな武器や防具も持たないまま、棒きれ片手にスライムと死闘を繰り広げる。
これが3〜5年と経験を積んで、主任クラスになると話は大きく変わってくる。仕事上の「武器」や「防具」も充実してくるし、ちょっとした「呪文」だって使えるようになる。権限も与えられ、活動範囲も広がり、かなり自由度が増していくだろう。
人々があれほどRPGにハマるのは、それが仕事や人生と同じく「自由を獲得していくゲーム」だからだ。
われわれは大人になり、経験と成長を重ねることによって、より多くの自由を獲得していく。さまざまな禁止が解かれ、それまでできなかったことができるようになり、行けなかった場所に行けるようになり、自分の意思に基づいて自由に振る舞えるようになる。
しかし、もしもあなたが自分のことを自由な存在だと思っているとしたら、それは大きな間違いだ。RPGの主人公がゲームの世界から飛び出せないように、われわれの自由を制限する「見えない檻」は確実に存在している。