大人AKB48」もまた、「大人のおもちゃ」である

cakes連載「すべてのニュースは賞味期限切れである」にもゲスト出演した武田砂鉄さんのテレビ時評。今回のテーマは「大人AKB48」。あの手この手でファンを驚かせるAKB48の意外な新展開! なんて言葉がメディアをにぎわせますが、そう思えない人も多いのではないでしょうか? このもやもやした気持ちをどこに向ければいいのか。大先輩アイドル・小泉今日子の言葉からその対処法を探ります。

小泉今日子の苦言「人の人生を何だと思ってるのよ」

大人のおもちゃというのはいわゆる性具のことだけれど、大人におもちゃにされているのはAKB48である。先週号の「AERA」のインタビューで、小泉今日子が若いアイドルに向けてのメッセージを求められて、明らかに荒巻太一、じゃなかった秋元康を意識したこんな発言を残している。「私、若い人たちに向かってよりも、若い人たちを動かしている大人たちに向かって説教したい気分です(笑)。フフフ。若い子たちは頑張るしかないんだよ、頑張ってるんだよ、人の人生を何だと思ってるのよ、と」。ぬるま湯芸能界に自ら熱湯を注ぐ、意思の強いインタビューだった。80年代アイドルが久方ぶりにテレビに出てきては「あの頃、事務所にバレないようにこっそり恋愛してたよねぇ」と、些末な暴露ネタで再雇用を模索するのとはやっぱり格が違うようだ。

「夜専用コーヒー」がない理由

「大人のきのこの山」、「大人の雪見だいふく」、「大人のキリンレモン」……ロングセラーの菓子や飲料水に「大人の」をつけたからといって売り出すほうは、子ども向けと大人向けでお客を仕分けようとしているわけではない。「大人の」をつけるのは高級感を出すため。子ども向けの名称に「大人の」をつけるのは……それこそ「大人のおもちゃ」が先駆かもしれない。下世話なアプローチとして、「大人の」ではなく「夜の」とつけ、(明石家さんま辺りがよく言うが)「夜の三冠王」「夜のダブルプレー」と、下ネタの気配を急激に漂わせることがある。しかし「夜のきのこの山」ではAVのタイトルでしかない。朝専用コーヒーのCMにはアイドルが出るが、夜専用コーヒーが存在すらしないのはそのCMに出せるのは高橋克典くらいしかいないからだ(?)。

やたらと強調される「2児の母」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

cakesの人気連載「ワダアキ考」、5人の書き下ろしを加えてついに書籍化!!

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

RyotaTakimoto 小泉今日子「私、若い人たちに向かってよりも、若い人たちを動かしている大人たちに向かって説教したい気分です笑。フフフ。若い子たちは頑張るしかないんだよ、頑張ってるんだよ、人の人生を何だと思ってるのよ」/ 約1年前 replyretweetfavorite

ko_kishi "「日本の芸能界ってキャスティングとかが〝政治的〟だから広がらないものがありますよね。でも、この芸能界の悪しき因襲もそろそろ崩壊するだろうという予感がします」。" http://t.co/eGimZJqGmI 4年以上前 replyretweetfavorite

ko_kishi ワロタw>> "AKB48が恋愛禁止を遵守した上で 4年以上前 replyretweetfavorite

ko_kishi "大人AKBキャンペーンには、小泉今日子が言うところの「若い人たちを動かしている大人たち」が、加入させるならタレントではなく、子育て中の一般人のほうがウケがいいでしょ、と画策したイヤらしさが濃縮されている。" http://t.co/eGimZJqGmI 4年以上前 replyretweetfavorite