もう、13、4年ぐらい前のことでしょうか? ある在日韓国人の後輩に、「人種差別を感じることってある?」って何の気なしに訊いたことがあります。まだ「嫌韓」なんて言う言葉を耳にすることもなかった頃の話です。
その後輩は、苦笑いをしながらこう答えました。「そりゃありますよ〜〜。」そして彼女が話してくれた差別体験の心ない人々からの中傷の数々。それは日本人として実に聞き苦しいものだったのです。
彼女の話を聞くうちにふと思い出したこと、それは30年ほど前に初めてアメリカに住んだ頃に体験したいくつかの苦い思い出です。過ぎ行く車から蔑称を投げつけられたり、自転車に乗っていたら、ボールをぶつけられたことさえありました。ごく一部でしたが、学校でも面と向かって差別発言をする同級生も存在しました。
アメリカでは今でも、9・11の影響でアラブ系の人々に対する差別が存在しますし、また最近では、メキシコからの移民に対する差別も大きな問題となっています。女性への差別も完全になくなったわけではありません。
そして確かに差別は減った
それでもアメリカは、かつてよりもずっと住みやすい国です。僕が現在住んでいるのがカリフォルニアということもありますが、ここ12年ほどの間に人種のことで嫌な思いをしたことがありません。
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