嫌韓・嫌中は、反日政策のカウンターとして当然の流れ
川上量生(以下、川上) そうそう、前回のネットの右傾化の話に関連して、嫌韓・嫌中※の流れについても、僕の考えをちょっと話します。
※ 韓国・中国を対象とした、嫌疑・嫌悪などの感情を表す用語
—— おお。どんな話でしょう。
川上 まず、韓国や中国の歴史について調べてみたら、やっぱり大前提として、韓国にも中国にも日本は過去にひどいことをしたのは認めざるをえません。
—— はい。それは事実ですよね。
川上 そうです。確実に。具体的に何をしたのかとかその程度など、いろいろ不明な部分もありますが、ひどいことをしたのは事実です。それに対して、韓国・中国の人が怒るのは当然です。でも、そうだとしても、彼らがなぜここまで執拗に反日行動をとるのかというと、それは、国内の不満をそらすための政策なんですよ。
—— ああ、中国は間違いなくそうですね。
川上 韓国もですよ。要するに、日本を攻撃することが、政権維持にとって得だからやってるんです。計算した上で、ゲームとして反日政策を仕掛けているわけですね。だったら、日本も得か損かを考えて振る舞うべきだと思います。
—— 感情に振り回されずに。
川上 感情的に反発するのは、心情としては理解できますけどね。感情だけで動くのは、違うと思います。で、得か損かで考えると、隣国ともめても何もいいことないですから、関係を良くするほうが得なんです。
—— たしかにそうですね。
川上 ただ、韓国・中国が政策的に仲良くする気がない以上は、無理に仲良くしようとしてもうまくいかないでしょう。向こうは必要性があって日本に攻撃的な態度をとっているわけですから。だとすると、こちらが取るべき態度はどんなものか。それは、「日本を攻撃するのは損だ」と思う程度に反発することなのではないでしょうか。
—— ああ。でも、反発したとして、向こうはそれを損だと思ってくれるのでしょうか。