3月31日、東京・本郷の東京大学で開かれた「冬の未来創造甲子園(Next Entrepreneurship Summit)・最終審査会」というイベントに、参加してきました。
このイベントは、おそらく日本で初めての「高校生のビジネスプラン・コンテスト」です。主催は一般社団法人リビジョンという、法人としては今年1月に設立されたばかりの団体ですが、慶應義塾大の鈴木寛教授(元民主党衆院議員)のゼミ生である斎木陽平氏が呼びかけて開かれたものです。参加者だけでなくイベントの代表者も運営も、すべて公募で集まった高校生たちが担っていました。
私は、このイベントに協賛する企業・団体(グロービス経営大学院)の代表として参加したのですが、正直言って最初にこのイベントの話を聞いた時、「いくら何でも、高校生にまともなビジネスプランは作れないだろう」と思いました。
実際、それまでにも社会人や大学生のビジネスプラン・コンテストにいくつも参加したり、審査員を務めたりしたことはありましたが、率直に言って大学生のビジネスプランというのは、社会人のそれに比べて数段劣るという実感がありました。
というのも、既にビジネスをしている人とそうでない人の間には、「お客様からお金を受け取れるだけのモノやサービスを提供するとはどういうことか」について、かなり大きな認識ギャップがある、と感じることが多かったからです。
なので、「大学生なお未熟なり。いわんや高校生においてをや。まあ、『よく頑張ったね』ぐらいの褒め言葉をかけてあげるだけで十分かな」と、どこかの漢文訓読の例文のような言い回しを思い浮かべながら、当日東京大学に行ったのでした。
先入観を裏切ってくれた高校生たち
この私の先入観は、イベントの中で高校生のチームが次々と壇上に立って自分たちが3ヶ月間で考えたプランをプレゼンするのを聞いていくにつれて、完膚無きまでにぶち壊されることになりました。