第3回 春

理真(リマ)から「話がしたい」と呼び出された未来は、合唱部に部員が実質四人しかおらず活動休止状態だと聞いて驚く。合唱部を立て直したいと悩む理真に、未来は「新入生歓迎会でアピールしてはどうか」と自分が部長を務めたときのエピソードを理真に語るが――。
ボーカロイド楽曲の卒業ソング『桜ノ雨』をモチーフにした小説シリーズの完結編『桜ノ雨 僕らはここで逢おう』の発売を記念して、一部を公開します。
♪『桜ノ雨』動画はこちらから♪


『桜ノ雨』 作詞作曲:halyosy


「あのときの自分のスピーチが、新入部員を増やせたかっていうと、微妙なところなんだけど……。でもわたしの前の部長が、とってもかっこいいスピーチだったんだ」
「未来先生の、前の部長?」
「うん。それがきっかけで、合唱に興味なかったのに入部した部員もいたんだよ」
「へえー……!」
「『桜ノ雨』っていう歌の歌詞をスピーチの随所にちりばめてね。『それでも僕らはここにいるよって言いたい人。合唱部で待ってます』で締めくくったのが印象的だったんだ」
「……!」  
 突然、理真がハッと身を起こした。
「『桜ノ雨』ってもしかして“桜音春さくらねはる”って人ですか? 前の部長って……」
「……あ!」  
 そうだった。  
 理真は音浜高校に入学当初、いちばん初めに歌った曲が『桜ノ雨』で嬉しかった、と音楽室で、わたしに話していた。
「じゃあ桜音春さんと未来先生は同じ時期に、合唱部にいたんですね!」
「うん。一学年上の先輩だったんだ」
「へ~~。もっと前の卒業生だと思ってました。桜音先輩かあ。今の合唱部にもそういう人がいたらなあ」  

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桜ノ雨 僕らはここで会おう

雨宮ひとみ /halyosy

もしも初音ミクが音楽教師だったら…。 卒業ソングの定番ボーカロイド楽曲として、250万回以上の再生回数を誇る『桜ノ雨』。この名曲のノベライズ第3弾にあたる『桜ノ雨 僕らはここで逢おう』の発売を記念して、その一部を公開します。

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