仕事と自由

第5回】てへぺろリーダー論

つねに奇抜なアイデアで世間をにぎわす家入一真さん。彼の不思議なところは、自身がクリエイティブで職人的な気質もある一方、つねに周りに人がいてリーダー的な存在でもあるということ。そのリーダー像は、ピラミッド型組織に見られる旧来のものとはまったく違う。彼のどこに「リーダーとして成功する秘訣」が隠されているのか――。今回は家入一真さんのリーダー論をお送りする。

— これまで、「仕事と自由」という考え方について、家入さんのお考えを伺ってきました。今回はテーマを絞って、家入さんの考える「リーダー」についてお話を伺いたいと思います。

家入 はい、わかりました。僕が「リーダー」らしいかどうかは置いといて(笑)

— だからこそ、お話を聞いてみたいですね!では、本日もよろしくお願いいたします。

家入 こちらこそ、よろしくお願いします!

 

■もっと「オラオラ」でいこう

— その…家入さんは最初に会社を立ち上げたころから、今のようなスタンスでいらしたんですか?

家入 ううーん、まあこんな感じでしたよ。基本的に面倒くさいことはやらない主義なので、仕事が回る仕組みを作るよう心がけたりとか。そういうのは結構昔からです。今とそんなに変わらないかな。

— そうすると、家入さんなりのリーダーに必要なものって、どういうところにありますか?

家入 リーダーに求められる資質というと…、そうですね。何が必要なのかなあ。
……ある種の「図々しさ」みたいなものをもつ、ってのは結構大切かもしれないですね。

— 「図々しさ」、ですか?

家入 「図々しさ」っていうと変かな。自分だからできることをガツンとアピールすることが大事かな、と思っていて。

— ああ、なんとなくわかりますね。

家入 「僕だからできることがある」、「僕だからやる意義がある」ってことを、明確にして人に伝える能力がリーダーに必要かなって思いますね。昔はありませんでしたけど、今はツイッターとかで大勢の人たちに伝えるのも簡単になってきてるから、それもやりやすいはず。

— はいはい。

家入 結局、「僕だから」っていう部分が明確にできないと、別に「僕じゃなくてもいい」という話になってしまうんですよ。

— 手伝ってもらうなりの根拠というところですね。

家入 僕なりの考え方や人生のバックボーン、そのプロジェクトに至るまでのストーリー、熱意みたいなものを、自分の言葉でさらけだしてみる。そこに共感してもらえて初めて、一緒に働きたいと思ってもらえるものだと思いますね。

— それはよくわかります。なるほど、人に共感してもらう力か。でも、自分をアピールして共感してもらうっていうのは、なかなか難しいことじゃないですか?

家入 いや、そんなことないですよ。ずっと自分を押し殺してるよりは、圧倒的に共感を得やすいんじゃないかな。

— ああ、確かに。

家入 だからこそ思うんですけど、みんなもっとオラオラで生きたらいいのに、って……。強気で自分をアピールしてる方が、面白がってもらえると思うんですよ。

— それで「オラオラ」とおっしゃったんですね。

家入 はい。例えば、仮に「風俗やりたいんです!」って僕が言いだしたとしますよね。めちゃくちゃなことだとしても、「僕だからやるんです」っていう本気さえ伝われば人の共感は得られると思うんです。

— うんうん。なるほど。

家入 まあ、今は「家入はなんでもアリ」みたいになっちゃってるので、それはそれで面白がって集まってくる人もいそうですけど。

— (笑) そうかもしれないですね。でも、家入さんから「オラオラ」って言葉は少し意外でした。

家入 たぶん僕は精神的にすごくオラオラな面があるんですよ。人に根性とかは求めないし、表立って体育会系というわけじゃないですけど。メンバーにはこんなことを言ったりもします。「僕がやりたいことをやるためにこの組織を作っていて、そして君はそこに入ってる以上、僕のわがままにつきあってね」って最初に明言しておくんですよ。

— おお。明言しておくんですか?

家入 そこはかなり重要かなと。だって、もし僕がやりたいことができなくなる組織だったら、そんなの僕がやったって意味がないですからね。極論ですけど。

— うーん、なるほど。

家入 だから例えば、「いつまでに何をやります」っていうのが守れなかったメンバーを叱る必要があるときも、そのロジックで叱るんですよね。僕がやりたいものをやる組織に属していて、僕が望む納期で仕上げられないのであれば、他の人に振ります、というか。

— 仕事に対してはかなり厳しいですね。

家入 そこまできつくは言わないですけど(笑)だけど、ロジックとしてはそうです。言っちゃえば、やっぱり僕は「わがまま」なんですよ。でも、リーダーは多少「わがまま」な部分もあっていいと思います。

— 「わがまま」が通らないなら意味がないと。

家入 組織に対するそういう考え方があるから、多数決とか民主的なやり方はほとんどとらないですね。だから合議制とかは大嫌いだし、もう僕がやりたいからやるとか……(笑)

— 決めちゃうんですね。

家入 もちろん、メンバーからやりたいものが出てきたりして、それをやることもありますよ。だけど、究極、僕がやりたいことがやれないなら、それは僕の望む組織じゃないんですよ。それに、そんな僕の組織に来たくてみんなも来てるから、僕がお飾りになっちゃったら、おしまいだと思うんですよね。

 

■語るだけでなく「見せる」

— 家入さんはリーダーとして、どんな風にメンバーを引っ張っていってるんですか?

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家入一真

株式会社paperboy&co.の創業者であり、JASDAQ最年少上場社長としても知られる起業家・クリエイターの家入一真さん。現在、普段は別の仕事を持つメンバーが集まり、共同で自分たちの作りたいものを作るモノづくり集団「Liverty...もっと読む

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