泣いても泣いても泣けてくるという体験をされたことがある方も多いかと思います。
自閉症だった僕は、小さい頃、いつも泣いてばかりいました。
問題を起こすたび、体中の水分が、全部涙になったみたいに、次々と涙があふれ出ていたからです。
何がそんなに悲しかったのか、今となっては、ひとつひとつの理由は覚えていません。
ただ、自分のことをわかってもらいたかった気持ちと、ありのままの僕でいられる居場所が欲しかった思いだけが、今も心に残っています。
もしもあの時、僕が泣けなかったり、泣くことを許してもらえなかったりしたら、未来に期待する現在の僕は存在しなかったと思います。
涙は、人の目からこぼれ落ちるものです。そして、喜びや悲しみという感情にともなって出てきます。
涙も心を伝える表現の一つということなのでしょう。
人間だから泣くのです。
それは、人間が弱く、一人では何もできない動物だからです。
泣くことは、弱さを認める行為ではないのでしょうか。
僕自身泣くことを繰り返し、成長してきたような気がします。
弱さを自覚するのは、強くなるためではありません。「助けてほしい」を人に伝えるメッセージだと考えています。
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