2014年3月2週目の主なできごと
・J1浦和で差別的な横断幕。Jリーグ初の無観客試合処分(3月9日)
・東日本大震災から3年。各地で追悼式(3月11日)
・STAP細胞「確信持てず」 共著の教授、撤回呼び掛け(3月13日)
・アンネの日記「破った」 30代の男供述(3月13日)
小沢健二が16年ぶりにテレビ出演
速水賢朗(以下、速水) さて、オザケンですよ。
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 『いいとも』のテレフォンショッキングに出演ですね。
速水 テレビに出るのは16年ぶり。もう若くない子猫ちゃんたちが大騒ぎしてた。
おぐら オス猫ながら僕も初見では、「自分のこと“オザケン”って言った!」「ボーダー着てる!」「メガネかけてる!」「妻と子供の話してる!」と興奮状態だったので、録画で3回見返しまして……3回目でかるくウルっときちゃいました。
速水 とりあえず、なぜ出演したかの答えは、弾き語りで歌ったメドレーの選曲から読み取れた気がする。
おぐら そうですね。歌った曲をメモしてきたので、記録として言うと「ぼくらが旅に出る理由」「さよならなんて云えないよ」「それはちょっと」「ドアをノックするのは誰だ?」です。歌う前に「タモリさんと番組スタッフのみなさんに」という一言からはじまって、もうとにかく歌詞がですね、旅立ち、当たり前のように続く日常、そしてそこにある幸せとやがて来る別れ……完璧に賛歌でした。
速水 まさにタモリと番組に捧ぐ内容だったんだと思う。その辺は「旅に出る理由があった小沢健二と旅に出られなかったタモリ」というタイトルでブログに書かれていた*1ね。ネットの反応は、いくつかに別れてたけど。「渋谷系が終わった日」*2の大塚幸代さんみたいに、自分の実存と小沢健二を重ねる人もいれば、ぺろっと舌を出す45歳に萌える人たちもいたり。
*1 逆エビ日記 - 旅に出る理由があった小沢健二と旅に出られなかったタモリ
*2 日々の凧あげ通信アネックス - 渋谷系が終わった日
おぐら 思い入れのある層の人たちは、どうしても個人史を重ねて見ちゃいますよ。セカンドアルバムの『LIFE』が発売された1994年、僕は14歳で、当時好きだった水泳部のオカッパの女の子と中学校の教室で一緒に聴いたりしていて……(涙)。このアルバムが今の自分の人生を決めたカルチャーショックの1つですからね。なので、ちょっとおおげさですけど、あの放送を見て「生きよう!」と思いました。
速水 そんなに強いインパクトだったんだ。前回のこの対談で残り回数が少ない『いいとも』は注目って話をしたけど、本当にラストスパートをかけてきた感がすごいよね。
おぐら はい。まさか『いいとも』のテレフォンで鼓舞される日が来るとは思いませんでしたし、オザケンの新解釈でした。なので客観的な評は速水さんにお任せします。
速水 わかった(笑)。ほかは、翌日のテレフォンショッキングの安倍晋三出演に、左翼から右翼へという政治要素を読み解く人たちも多かった。
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