成功と失敗はコントロールできるのか
ここまで成功哲学めいたものを語ってきました。が、第三章の冒頭でも書いたとおり、成功するかどうかは「運」の影響を受けることは、決して忘れてはいけません。あなたがどれだけ頑張っても、運が悪ければ、うまくいかないこともあります。残酷で身も蓋もない話ですが、これを「前提」として捉えなければいけません。
極論をいえば、今ぼくはスタバでこうして文章を書いていますが、突然店舗の設備が大爆発し、そのまま死ぬことだってありえます。残された家族や友人はどう整理していいかわからないと思いますが、死んだ本人としては、もはや「運が悪かった」としかいえません(いや、死んでるので、何もいえないですが……)。
ぼく自身はどうかといえば、ぼくはこれまで、たくさんの「運」に支えられてきました。本書の執筆についても、幸運に幸運が重なって、話が舞いこんできました。本を出すための具体的な努力を行ったわけではありません。本当に「たまたま」人のつながりのなかで仕事が生まれたにすぎないのです。
ぼくは自分のことを、とても運がいい人間だと思っています。凡庸なぼくがこうして文章をしたためることができているのは、本当に、運がよかったからとしか言いようがありません。その意味で、ぼくが語ってきた成功哲学は、あくまで「運がよかった人間から語られたことば」であることを、よくよくみなさんには注意してもらいたいのです。
この本で書いたことをみなさんが忠実に実践しても、運が悪ければ、成功することはありません。実践しなくても、運がよければ成功します。残酷ですが、そういうものです。
「運」をよくする技術
ただし、「運のよさ」を改善することは、微力ながらできるとも考えています。
「運のよさ」というのは、「どれだけの人と、良質なつながりを作れるか」によって変化してきます。それは社会全体で眺めても、あるいは、あなたの会社の内部での話と考えても同じことです。
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