どちらが上か、静かな争い
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
韓国人って初対面の人に「何年何月生まれですか?」ってすぐに質問するのは知っていますか?
というのは、儒教がまだしっかり根付いている国だから、どちらが先に生まれたかで目上と目下が決定するんですね。だから、一ヶ月でも後に生まれていたら目下になって一ヶ月先に生まれた人間に敬語で話さなきゃいけない、というわけなんです。これって、実際韓国人にとってみたら「古くさい習慣でイヤだなあ」と思っているようなのですが、僕から見ると「意外と合理的でわかりやすいシステムかも」と思うことがよくあります。
というのは、バーでこういうシーンがよくあるからです。
カウンターで隣になったお客様同士でたまたま話すことになって、会話が盛り上がりました。それが男性同士の場合、なんとなく「どっちが偉いのか」ということを値踏みする瞬間があるんですね。それはもちろん韓国人と同じように、「年齢」というわかりやすい価値基準で判断するときもあるのですが、他にも色々と価値基準があり、まるで犬が縄張り争いやマウンティングをするかのように、静かな争いが始まります。
よくあるのが「bar bossaにはよく来てるんですか?」とか、「bar bossaにはいつごろから来てるんですか?」という質問です。これ、おそらく言葉にしている人はなんとなくで言ってるんだと思うのですが、「常連だったり、ずっと昔から来ている方が勝ち」みたいな空気が立ち現れることがあります。
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