第24回】4歳のわが子と離れられますか? ~スイスの名門低年齢ボーディングスクールの魅力を考える

4歳から14歳までの子どもを預かる、スイスにあるボーディングスクール(寄宿舎学校)のラ・ガレンのグレゴリー・メアン校長と面談した筆者。子どもと離れ恋しがる親とは対照に自立へと成長する子どもの話を聞き、いろいろ考えさせられる面談となった。

風光明媚な高地にあるアットホームな学校

スイスにある低年齢ボーディングスクール(寄宿舎学校)のラ・ガレンのグレゴリー・メアン校長と懇談した。著書『スイス留学大作戦』で有名な若草まやさんのご紹介である。若草さんの二人のお嬢さんもこの名門ボーディングスクールで学ばれた。この学校があるのはスイス屈指のリゾート地・ヴィラール。名峰モンブランやレマン湖が一望でき、風光明媚なその一帯には、空気がきれいで安全ということで、世界の著名人たちが別荘を構えている。

メアン校長に学校について詳しく聞いた。私が感心したのは、どういう生徒を育てたいかということに対する明確な姿勢とその信念が非常にしっかりしている点だ。また、親御さんに「どうしてもうちに来てください」とは言わずに、「他の学校もよく調べて本当にうちの学校があなたのお子さんにあうかどうか家族で話し合ってみてください」と言って、むやみに学校を売り込んだりしない点にも感心した。

この学校の魅力はアットホームさだと思った。4歳から14歳までの子供を受け入れているが、全校生徒は80名くらいとこじんまり。そのため毎日、校長と生徒が席をかえながらご飯を一緒に食べる。校長は、そうすることによって「どの子が体調が悪そうか」「まだホームシックなのか」「誰と誰がどんな問題があるか」などがわかるという。

生徒に学力はもちろん、スポーツや芸術の才能や時間や決まりを守る規律、多様性への対応力(社交性や交渉力)や自分で調べて決断をして責任をとってやり続けることを、家族のようなアットホームな雰囲気の共同生活の中で教え込むのがこの学校の理念だ。

文武両道で子供を忙しくさせよ!

寄宿舎は4人部屋で、4人に1人ハウスメイドがつき、小さい子の着替えや髪編みを手伝ってくれたり、ホームシックの子には添い寝もしてくれるという。

子供たちの生活は忙しい。校長は「ある程度人格ができて自分で判断できるようになった子供には自由な時間を与えてやるべきだが、まだ小さい子供にはいろんなことをさせた方がいい。子供の脳はスポンジのように、語学からスポーツ・音楽まで物事を一気に吸収して才能を開花させる。忙しくしていればつまらないイジメも起こらない」と断言する。

最初は「低年齢からのボーディングスクールはある意味、育児放棄に近いのではないか」という意識さえあったが、校長たちから学校のことを目の前で聞いて、とても興味がわいた。もし自分が、こういうところに小さいころから通っていたら、その後どんな人生を歩んだろうか? と想像までしてうらやましくなってしまった。前回紹介したマレーシアのマルボロカレッジもそうだが、共同生活の中で子供を忙しくさせるのはとてもいいことだと思う。そのうえ、少人数であれば生徒一人ひとりに目が行き届く。

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