タモリ、その後に—なぜ小堺一機は語られないのか?

武田砂鉄さんの芸能評連載、今回のテーマは小堺一機。この3月の「笑っていいとも!」終了に合わせて、雑誌も書籍もこぞってタモリを取り上げていますが、それに引き換え語られないのが「ごきげんよう」の小堺一機。実に30年近く「いいとも」の次の番組を担ってきた小堺一機がなぜ黙殺されているかに迫ります!

「いいとも!」と「ごきげんよう」を続けて見る意味

実はそこまで具合悪いわけじゃないんだけど「授業で当てられる順番だし」程度の理由で学校を休んだ日、パートに出かけた親が作り置きしていったピラフをチンして「いいとも!」と「ごきげんよう」をダラダラ続けて見る。みんなは今ごろ授業をしているのにこっちはダラダラ……こんな中高時代のプチ悪行を共有してくれる人は少なくないはず。「いいとも!」と「ごきげんよう」を続けて見るのがポイント。「いいとも!」の、レギュラーもゲストも何だかんだで一流芸能人ばかりな状態を昼に見られるお得感が、「ごきげんよう」でじんわりと薄らいでいく。天海祐希が番宣をしにクイズコーナーにまで参加する前者、城之内早苗の最近ビックリした話に耳を傾ける後者。佐藤浩市が意外とフレンドリーだと気付く前者、高橋克典の筋トレ話をただただ受け止める後者。「いいとも!」と「ごきげんよう」は比較対象ではないし兄弟番組でもない。視聴者が心持ちを変換して無理やり連結させてきたのだ。

森田社長が退いた後も小堺専務は専務のまま

今月末で放送を終了する「いいとも!」を軸にタモリを語ろうと書店にタモリ本が溢れているが、どの特集本をのぞいてもこの連結に対する言及がない。つまり、タモリや「いいとも!」を論じるときに、小堺一機や「ごきげんよう」が補足的に論じられることがない。どの企業でも社長が退くとなれば次は田中専務か佐藤常務かと、そばに控えてきた名前が取り沙汰されるものだが、今回、「ごきげんよう」が12時に昇格かという推察も希望も一切聞こえてこなかった。むしろ12時に繰り上げられたのは他局の「徹子の部屋」で、森田社長が退いた後も小堺専務は専務のまま据え置きとなる。「ごきげんよう」が始まったのは1991年のこと、84年に始まった前番組の「いただきます」から合わせれば実に30年近くもタモリの後ろに控えてきた、にもかかわらず。

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

yukii0719 この人のコラムおもしろい。EXILEの記事は笑えた('∀`) 4年弱前 replyretweetfavorite

abm 最近、 4年弱前 replyretweetfavorite

abm 最近、 4年弱前 replyretweetfavorite

die_kuma みなさん、 4年弱前 replyretweetfavorite