東出昌大がいま輝いている3つの理由!
身長189cmでさわやかすぎるイケメン!
高校生のときに、メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルデビューする。パリコレに出るほどの活躍を見せた美男子。
俳優デビュー作から大注目!
2012年の映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優に転身し大注目を浴び、本作で第67回スポニチグランプリ新人賞、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得しました。
朝ドラ二期連続で出演!
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(若き日の大吉)、「ごちそうさん」(西門悠太郎)と二期連続で出演している、いま最も注目の俳優。
自分より配役の方が人間的に深い
—— 以前モデル時代にお会いしてお話を伺ったとき、「今度、ある映画に出るんです」って言って、俳優になる話をしてくれましたよね。
東出昌大(以下、東出) 『桐島、部活やめるってよ』を撮った後すぐですから、三年くらい前ですね。
—— そのときのうれしそうに話す、生き生きした表情がすごく印象に残っています。俳優に転身して三年で映画の主役まで来ましたね。
東出 何があるかわからない世界だとはわかっていましたけど(笑)。それを覚悟していたから、あまり驚きはしていないんですが、自分に与えられる役と自分を考えると配役の方が重くて……。
—— 重いというと?
東出 人間的に濃いというか深いというか……。だから毎回プレッシャーを感じています。自分の至らなさも感じているから、どうにかしなきゃってアップアップしているだけで、余裕が全然ないです。ここにいる自分が恵まれているのはわかっているのに、充実感も感じられないほど、いま目の前にある役をこなすのに精一杯という感じです。
—— 映画、テレビ、CMとめざましい活躍の中で、冷静に淡々と役をこなしていると勝手にイメージしていましたけど。
東出 ありがとうございます。役をいただけるのは本当にうれしいし、毎日感謝しています。いろいろなお仕事をいただいてますけど、「オレいま来てる!」なんて思えませんし(笑)、悩みはつきないです。
—— 例えば、最近はどんなことで悩んでいるんですか?
東出 この前、セリフが多くて悩んだときがあって。でも、普通このキャリアでそんなの考えるべきじゃないし、なにおごってんだお前って自分を責めたりして。マネージャーさんに相談すると、それぞれの位置でそれぞれの人の悩みはあるから、それを責めてもしょうがない。だからって、がんばらない理由にはならないでしょって言われましたね。
—— これまでの役はクールでかっこいいって人が多くて、視聴者として見ている感じは、すごくさらりとしていました。その裏には葛藤やプレッシャーがあったということですね。
東出 『桐島』のときは緊張していたけど、他の人にもそんなふうに見えるって言われたことがあります。出演最新作の映画『クローズEXPLODE』ではもしかしたら、何者かわからないような行き場のない感じが出ているのかなって思うんです。
映画『クローズEXPLODE』予告編
まだ芝居ってものが本当にわからない
東出 ある程度役に対して準備して行きます。よく「切り替える」と言われがちですが、すべての役者がやっていることですし、特に意識していないですね。いまはたくさんの役を次々とこなしているわけではないので、ひとつひとつの役をしっかりつくっていっています。なので、このときは、前を引きずって出てしまったんだと思います……。
でも、いまでもまだ芝居ってものが本当にわからないです(笑)。
—— 役をつくっていくコツや心掛けていることはありますか?
東出 わかる範囲のことをやっていくという感じですね。『クローズEXPLODE』のときに気づいたのですが、自分で気づくことじゃないとわからないんだなって。こうした方がいい、ああした方がいいと言われても、後からそういうことだったんだとわかってから役に反映できる。演じることもそうですが、仕事って本人が心の底から気づかないとできないんだなって思いました。
—— 俳優は気づくということを積み重ねていくもの。
東出 はい。なので、印象に残った言葉や、そのとき意味が分からなくても深いことを言っていると思った言葉はノートに取っています。役とは関係なく、監督の言葉とか演出論とか、役者の先輩が言ったこととか。それらがあとで自分の血となり肉となると思っています。
—— 心に残った言葉は?
東出 以前、先輩に「いつから芝居が楽しくなりましたか」って聞いたら、「自分の芝居が本当に下手だって認識したときから。自分が認めたときから楽しくなったよ」って。その人は役を演じているとき楽しそうなんです。そうなりたいなって思います。
—— いろいろなお芝居をしてきて、突き詰めた結果出た言葉だったんでしょうね。
東出 ええ。僕も自分の演技って本当に下手だなって思っていても、いままで積み重ねてきたことを否定できなくて、守りに入っている部分があるんです。先輩のように下手だと認識できるのは、もう少し時間が経ってからかもしれないですね。
—— 大きな役が来て、自分を信じなきゃいけないときの自信を保つ方法はありますか?
東出 不安で迷ったままカメラの前に立つと、その迷いが画面に必ず映ってしまいます。だから、迷ったままにはしない。ない自信を振り絞るのはできないですが、そんなときは仲間や共演者、スタッフさんなど人を信じるとか、吹っ切れるとかっていう方向に気持ちをもっていきます。
—— 始まるからいくぞっていう覚悟ですね。
東出 そうですね、吹っ切ってやるしかないって感じで。
—— 吹っ切れると思ったらできるものですか?
東出 もちろん直前まで必死に考えていますよ。でも、責任転嫁するつもりはありませんが、頭で考えていてもしかたないなって。最善を尽くそうって吹っ切れます。もちろん、それでまた撮影で終わったら、もっと用意しとけばなって考えることもあります。毎日毎日、演技や芝居と格闘しながら、役者の奥深さ、楽しさを噛み締めています。
執筆:力石恒元、撮影:喜多村みか
(次回、4月29日更新予定)
映画『クローズEXPLODE』絶賛公開中(豊田利晃監督/東宝)
(C)2014髙橋ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会