人前で話すことが死よりも怖いと感じる人へ

大勢の人前で話すことが大の苦手だという人は少なくないと思います。作家の海猫沢めろんさんも、初めて大人数の前で講義をしたときは、トラウマになるほどの失敗をしたそうです。人の評価を気にすることなく生きることは、はたして可能なのでしょうか。

30人の学生を前に何も言えなかった僕 ……

 自信を失う背景には、だいたい人の評価が関わっていることが多くあります。
「人が怖い」というのは、誰もが持っている恐怖心です。

 人に見られ、評価されることほど恐ろしいことはありません。
 僕も、初めて人前で話したとき、本当に落ち込むことがあったんです。

 ある日、知り合いの大学教員から「講義で小説について考えていることを話してほしい」という依頼が来ました。
 初めてだったのですが、なんとかなるだろうと思い、なんにも用意せずに当日を迎えました。
 大学の教室に入ると、30名くらいの学生さんたちがズラッと座っていました。そんな中、知り合いの先生 に、「じゃあどうぞ」と言われた瞬間に、僕は頭が真っ白になってしまった。
 (あぁ、ヤバい ……)
 気づいたら黒板に、自分でも良く分からない図を描いていたんです。
 「これは本格的にヤバい」と焦るほど、生徒のほうが見られないんですよ。
 一人でブツブツ言いながら、ずっと黒板を睨みつけて、なにかをガリガリと書いていって、
 「僕みたいな中途半端な物書きがなにを言ってるんだろう ……」
 「学生たちもきっと僕のことをバカにしている」
 「もう帰ったほうがいいんじゃないか?」
 とか、とにかく後ろ向きな想像が膨らんでいく。
 10分くらいそうしていたら、一番前の学生さんが「はい」って、手を挙げたんです。
 「良かった、助かった ……」と思って、「あ、はい、なんですか?」って笑顔で聞いたら、その男子学生 が、 「今日、僕は、こんな話を聞きに来たんじゃないです」
 と、言ったんです。 その瞬間、部屋がシーンと静まりかえりました。
 たまりかねた先生が「まあまあ ……」と助け船を出してくれたのですが、その後のことは記憶にありません。
 もう完全にトラウマになりました。
 本当に「二度と人前で喋らない」と痛感させられた経験です。

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頑張って生きるのが嫌な人のための本

海猫沢めろん

年間3万人前後もの人が自ら死を選ぶ自殺大国・日本。ゆたかな国にも関わらず、根強くはびこっている閉塞感と生きにくさ。海猫沢めろんさんの友人・K君は、そんな閉塞感から自由になるために自殺を選択しました。めろんさんが、K君に、そして彼とおな...もっと読む

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uminekozawa 自由になるのは大変? 死ななきゃラクになれない? 働かないとダメ? 誰もが抱える悩みにこたえます。 4年弱前 replyretweetfavorite

uminekozawa こちらも公開/ 4年弱前 replyretweetfavorite