ポル・ポト(民主カンプチア首相)【第6回】解消されないルサンチマン

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。この連載では、世界の独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に反映させたのかを読み解いてゆきます。最後まで理想を全うした「良い人」ポル・ポト。彼が生んだ惨劇は、カンボジア人のルサンチマンが生んだものでもありました。(『独裁者の教養』より)

「3年では短すぎて経験を積めなかった。またわれわれは上部も下部もいくらかやり過ぎた。だが、民主カンプチアこそ今なお世界一完成された高潔な国家だ」
政権崩壊後、ポル・ポトはこんな主張を書き残している。

この文章は1980年代にゲリラ化したポル・ポト派の内部テキストで、彼自身が著したという。ポル・ポトは政権担当時代の失敗を多少は反省したが、自分たちの正義と理想が間違っていたとは考えなかった。現場の運用面で多少の「やり過ぎ」はあったけれど、粛清や虐殺を含めて、あくまでも正しい行動の結果であると信じ続けた。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ジセダイ by 星海社新書

この連載について

初回を読む
独裁者の教養

安田峰俊

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。しかし、彼らは優れていたからこそ「独裁」を行えたはずです。そこで、この連載では、世界を代表する独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません