これからも映画を撮り続けるのですか?
Q. 監督の作品で、長回しのショットの中で急にそこにいないはずの人が現れる場面がありますよね。現実の世界ならあり得ないことなんですが、当事者の感覚からしたらそれはリアルなんですよね。ある感覚や主観に接続して、それが凝視したものにだけカメラが入っていき、それ以外のものはどうでもよくなる感じがあって、映画というのは知覚レベルで世界と接続し、再構築しているメディアなんだなと。監督は映画に感覚を委ねているんだということを強く感じました。
山戸:そうですね。そっちの世界に全部の知覚が行ってしまって、こっちの世界にある大きな釘を踏んだまま撮影を続けてしまっていたことがありました。しかも、なぜかその感覚ごと映画のシーンの感情に入っていってしまっている気がします。
Q.唐突ですが、監督は中島みゆきと松任谷由実だったらどっちが好きですか?
山戸:中島みゆきを聴きながら、松任谷由実が好きな人と付き合っている感じがします(笑)。私ひとりだったら中島みゆきタイプなんですが、自分が好きな人は男女問わず松任谷由実タイプなんですよ。他者性を取り込みながら生きているんですね(笑)。
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