どんな映画を撮りたいですか?
Q.山戸監督は、これまでどんな映画を観てきたのですか?
山戸:やはり周りにはシネフィルのような人が多いのですが、そういう方たちに比べると私は全然観ていないと思います。本は懸命に読んできましたが、映画の世界に入ったのはつい最近のことだったので、基本的に趣味で鑑賞する程度で、あまり勉強のような感じで観ることはなかったですね。
Q. 例えば、以前に僕がインタビューをした本広克行監督の「踊る大捜査線」シリーズなどは観ていますか?
『あの娘が海辺で踊ってる』(2012)
山戸:日本国民ならほとんどの方が観ていると思いますし、もちろん私も観ています。狭義的に志向する映画とはまったく違う部分の頭を使っていて、その広がっていく行為自体が、表現のひとつの存在の仕方として、本当に面白いですね。
Q.「踊る大捜査線」はそれこそ国民全員をターゲットにしているような規模の作品ですが、山戸監督は自分の作品を観る人たちの層や人数などはどの程度意識していますか?
山戸:最初の作品は、数字というのは全く考えていなかったですが、もともと明確に女の子に向けて作っているので、最初は同年代の女の子にしか伝わらないだろうとは思っていました。でも、実際に公開が始まると、かなり年上の男性とかも観に来てくれて、客層がカオスだとよく言われていました(笑)。自分としては女の子へのシンパシーで撮っているんですが、深くいけばいくほど、男性からしたらワンダーとして見てもらえるところがあるのかもしれません。
『5つ数えれば君の夢』(C)2014『5つ数えれば君の夢』製作委員会
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