「おすぎとピーコ」が「さむらとゴーチ」になったのかと思った
サングラスの人がサングラスを外す。長髪の人が短髪になる。匠も驚くビフォーアフターである。夜、風呂を出て眼鏡を外したままボヤけた視界でニュースに目をやったものだから、ボヤけた風貌に「おすぎとピーコ」が「さむらとゴーチ」になったのかと思ったが、眼鏡をかけて見直すと、このビフォーからアフターへの2大変化「サングラス有→無」「長髪→短髪」に驚かされるのは初めてではないことにふと気づいた。1997年にX JAPANが解散した後、ヴォーカルのToshiが自己啓発セミナーに心酔した頃、に似ている。Toshiがサングラスを外し、髪を短くしたとき、ちょうど今の佐村河内くらいの長さだった。自己啓発のトレーナーから「化け物あご男」と言われたToshiはその放言を受けながら優しげな笑みを浮かべていた。ご存知Toshiは、その後再びサングラスをかけてX JAPANに復活、ビフォーとアフターの間くらいの髪型でロックシンガーとして再評価を受けている。
長髪キープでも坊主でもない「七三分け」の意味
反省の証として「髪を切る」が強いられるのは、日本特有の伝統芸だ。AKB48・峯岸みなみは恋愛沙汰で坊主にさせられ、近々の例では、巨人軍の若手・坂口真規が主将の阿部慎之助に髪の長さを注意され、断髪を命じられた。翌日、村田修一に「まだ長い」と言われ、更に短くさせられたという。なんだか昔のヤンキーマンガで「おいコラ、ジャンプしてみろ」と脅し、小銭の音を確認して「まだあんじゃねーか」と小銭までカツアゲしていくような、お下品さが漂う。刈れば刈るほど、反省や忠誠心の度合いが高まるらしい。佐村河内は、坊主にはしなかった。髪は切ったが、中途半端な長さの七三分け。そこに意味を見出すことはできるのか。
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