ポル・ポト(民主カンプチア首相)【第4回】熱心さから生まれた浄化政策

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。この連載では、世界の独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に反映させたのかを読み解いてゆきます。共産主義に思想を置き換え、反王党派となったポル・ポトは、都市を悪の巣窟と考え、市民の再教育を開始します。(『独裁者の教養』より)

ポル・ポトは相変わらず「良い人」だった。
同志への厳しい糾弾も辞さなかったイエン・サリなど他のメンバーとは違って、パリ時代のポル・ポトは穏健で、ユーモアにあふれた優しい人物だったという。

彼は留学先で素直に共産主義を学び、当時のフランス共産党が持っていたスターリン主義の影響を受けて、素直に過激派になった。そして、いざ自分の認識を新しい思想—、共産主義に書き換えると、これまでお世話になった王室との繫がりを素直に捨てて反王党派になった。以前と同じように穏やかで上品な立ち居振る舞いを崩さないまま、スターリンの思想に忠実であろうと、過激な文章を書くようになった。やがて、彼は1953年に帰国し、私立学校で歴史とフランス文学を教えながらインドシナ共産党の地下活動に携わった。

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独裁者の教養

安田峰俊

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。しかし、彼らは優れていたからこそ「独裁」を行えたはずです。そこで、この連載では、世界を代表する独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に...もっと読む

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