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シンガポールにほど近いマレーシアのジョホールバルに開校した英国の名門寄宿舎学校、マルボロカレッジ・マレーシアに通う方の話を聞いた。結論から言えば、子供の頃から時間に追われる充実した学校生活にうらやましさを感じた。
キャサリン妃が通った学校
中国正月の終盤にシンガポールを訪ねた際、シンガポールで有名な日本人起業家とそのご家族とパワフルで美味しい晩餐を共にした。場所は、その静かさと、病院や学校、高速道路やショッピングエリアへのアクセスのよさで日本人に人気となっているノビナ地区。お嬢さんが名門マルボロカレッジに合格された話も聞きたかったので、ご家族全員との会食になった。
マルボロカレッジといえば世界的に知られた名門校だ。イギリスのウイリアム王子と結婚されたキャサリン・ミドルトンさんが中学、高校時代に通っていた学校でもある。イートン校(英)やフィリップスアカデミー(米)と並んで、世界の名門中等教育機関と言われている。その敷地は約90エーカー、つまり約11万坪! そこに教室8棟、学生寮14棟、テニスコート10面、 ラグビー場6面、サッカー場2面などの施設を構える。
授業ごとに教室が異なり、中には体育の授業もある。にもかかわらず、授業間の休憩時間は5分間のみ。この広大な敷地を生徒たちは走って移動しているという。
アジア校のみ5歳から通える!
イギリス本校に通える生徒は13歳~18歳までだが、マレーシア校では5歳から生徒を受け入れている。また、本校では全員が寄宿舎生活をしているのに対して、マレーシア校では通学も許されている。この起業家のお嬢さんは、平日は寄宿舎生活をしていて、週末だけシンガポールの自宅に帰っているという。
お嬢さんに聞いた話で特に面白かったが、自信過剰な"英国病"の話だ。そもそも英国の学校なので、学生のマジョリティは英国人、先生も英国人で、地理や歴史の授業は、英国の授業そのままだそうだ。例えば、地理の第一回目の授業で、最初に先生が「英国の地理は皆さんご存知ですよね?」と発言し、アジアの学生たちは「テムズ川とか見たことないし! イギリスの地理とかそんなの知らないよ」とドン引きしたという。英国の学校であるため仕方ない面もあろうが、いまだに「世界は英国を知っていて当然」という前提でいる"英国病"ともいえる一例だろう(笑)
ここでは、勉強はもちろん、スポーツ、演劇、音楽等、生徒たちに幅広い学びのチャンスを与えている。何より、子供たちが小さいころから時間管理を徹底して学べるところがいい。授業や自習の時間はもちろん、消灯時間も起床時間も食事時間もきっちり決まっているため、子供たちは常に忙しく、ダラダラすることは許されない。「眠くないし、勉強したいと思っても、夜9時には電気が全部消されて、チェックもあるのでベットに入らないといけないんです」とお嬢さんは少し不満そうだ。
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