受験勉強にジャパンタイムズ
英語に関しても、他の人はやらないやり方を意識しました。難関大学の過去問を解いていくと、「高い単語力」に加えて「英文読解力」を鍛えなければいけないことがわかりました。人よりも多く単語を覚えるだけでは太刀打ちできないのが、難関大学の入試だったのです。
とはいえ、とりあえず単語を覚えることから始めないといけません。様々な教材を試した結果、もっとも記憶に定着するのは「単語の語源構造を分解して(たとえば〝proceed〟なら〝pro〈前に〉〟+〝ceed〈進む〉〟など)説明してくれる参考書」。そして「単語だけを掲載するのではなく、例文が充実している参考書」であることがわかりました。『速読速聴・英単語』シリーズ(Z会)がこの条件を満たしていることがわかったので、この教材をやりこむことに決めました。
さて、さらに勉強を進めるなかで、「自分の興味関心を扱った英文」「いま話題になっていることに関連がある英文」に触れたほうが、単語記憶が定着することもわかってきました。『速読速聴・英単語』もよかったのですが、いまいち例文に関心を持つことができず、勉強が苦痛になる瞬間があったのです。
そう気づいてからは、教材を「ジャパンタイムズ」というニュースサイトに切り替えました。
学校にいく日は、毎朝ジャパンタイムズのトップニュースの、ぼくが関心を持てる「文化」コーナーを印刷し、毎日1~2時間、英文読解に時間を注ぎました。「文化」コーナーには、「政治」や「社会」といったコーナーにはない面白さがありました。「日本のモダンアートの歴史」や「和彫り──伝統的な日本のタトゥー」といった記事は、英語の勉強を抜きにして読んでも面白いものです。同じ英文に触れるのなら、やはり関心を持てる文章に触れたほうが、学習効率が高まるのです。
過去問20年分を解きまくる
国語に関しては、さまざまな教材を比べた結果、もっとも効率がいいのは「実際に受ける大学の過去問を徹底的に解きまくる」ことだと思い至りました。
国語の試験というのは、世界史や英語に比べて、各大学で出題傾向にバラつきがあるため、総合的な対策が難しいのです。ヤフーオークションや人(ひと)伝(づ)てに、各大学の過去10~20年分の過去問を入手し、毎日2~3時間、過去問対策に明け暮れました。
これらの教材と学習方法について、ぼくは「この方法でやれば、かなり効率よく勉強できる」という確信を持っていました。
実際に、偏差値は勉強時間に比例して上がっていきました。これは「考えうるかぎりの、ゴールに達するまでの最短ルート」だったのです。ルートが決まれば、あとは淡々と時間を注ぐのみです。
成果を挙げられない人の特徴
勉強に限らず、うまく成果を挙げることができない人というのは、「考えうるかぎりの、ゴールに達するまでの最短ルート」を見つけることに失敗している印象があります。
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