みなさんこんにちは。
2月も終わりに近づいて、
冬の寒さも少しずつ緩やかになってきましたね。
あまりに春が待ち遠しすぎるので、
朝の通勤中に沿道を歩きながら
きょろきょろと春の訪れの証拠を探しています。
寒そうに枝をむき出しにして立ち尽くしていた桜の木も、
よーく見るとつぼみの赤ちゃんが節々から顔を出し始めていたり、
丸裸に切り戻されていた紫陽花の木にも、
鶏の爪のような黒くて小さな芽が芽吹き始めていたり。
おっ、君達も春に向けてもう準備しているね、
なんてひとりで喜んでいます。
そしてこんなに寒い最中でも、
慌てず騒がず黙々と着々と、
春への再生の支度を進めている逞しい植物たちに、
ちょっと勇気づけられます。
朝晩の風はまだまだ冷たいけど、
はーるよ来い、はーやく来い!
そんな春を待つ今の季節にぴったりな1品があります。
私の好きなポルトガルでは、
誰もが家庭で作る超定番。
日本でいうところのみそ汁的存在といえる
「緑のスープCaldo verde(カルドヴェルデ)」です。
細く切ったキャベツが
麺のようにたっぷり入っていて緑色に見えるから、緑のスープ。
ベースはじゃがいものポタージュです。
アクセントにソーセージの薄切りをのせ、
香りの良いオリーブオイルをさっとひとまわし。
これ、お腹をほっこり温め、かつほどよく満たしてくれるので、
お酒を飲む前のスターターにぴったり。
二日酔い防止にも効果的です。
キャベツとじゃがいもがたっぷりなので、
週末のブランチや病み上がりの弱った胃にもやさしい。
ちなみに、ポルトガルのカルドヴェルデは現地ではたとえばこんな感じ。
緑色は、ポルトガルでは一般的なコーヴ・ガレガという
ケール(キャベツの祖先)の一種を刻んだもの。
スプーンを入れると、麺のように絡みつくぐらい入っています。
ちなみにポルトガルの市場では、
コーブ・ガレガをガルドヴェルデ用に
あらかじめ千切りにして売っています。
それから、先程のスープカップの右端にのっていた細長い茶色いものは
ポルトガル独特の甘いパンで、
トウモロコシの粉で作られるブロアといいます。
右がブロア、左は普通の田舎パン。
黒糖蒸しパンをギューっと圧縮したような甘味と風味、
ムチッとした食感で、
日本人が好きなタイプのパンじゃないかと思います。
自然な甘さのブロアと野菜のだしがきいたカルドヴェルデは、
食べるとリラックスできる“おふくろ定食”みたいなコンビ。
もしもポルトガルにコンビニがあったら、
カルドヴェルデのフリーズドライ商品があってもおかしくないぐらい(あるかも!?)、
誰もが知っているメジャーなスープ。
ポルトガルに行ったらぜひ飲んで欲しいです。
野菜のだしの力だけで感じるおいしさが、きっとくせになりますよ。
このスープの飲み飽きない味の秘密は、
ずばり素朴な作り方。
余計な味つけを一切しない、野菜のだしと塩だけの潔さが持ち味です。
塩だけって味が薄いんじゃない?と思いますよね。
ところがところが。
余計な味を足さなくても、
じゃがいもやキャベツ本来のうま味だけでこんなにおいしいスープになるんだと、
結構驚く仕上がりです。
当然、作り方もあきれるほど簡単。
野菜を切って煮たら完成です。
じゃがいもやキャベツのおいしさをしみじみ味わえる「緑のスープ」
早速作っていきましょう!
材料はこちらです。