福田和也
最終回 難しい本の読み方
「難しい本」を読むには、いったいどうしたらよいのでしょうか。まずは、自分にとってどこが「難しい」のかを分析しましょう。一段上の読書が楽しめるようになるヒントをご紹介します。
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難しい本の読み方
「難しい」本は、基本的に読む必要がないのです。
時間の無駄か、せいぜい「オレはこんな難しい本を読んだのだ」という自己満足にしか役立たない。
けれども、必要があって、どうしても難しい本を読まなければならない場合があります。
その時の対応策を書きましょう。
まず、「難しい」とは、どういうことでしょうか。
「難しい」というのは、要するに理解できない、頭に入らないということですね。
いくら、頁に並ぶ字面を追っても、頭に文脈がはいってこない、情景が浮かんでこない、何を云おうとしているのか伝わってこない。
そういう事態を分析してみると、三つほどの場合があると思います。
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この連載について
福田和也
文筆家が膨大な量のインプットとアウトプットを実現させる技術は、実はビジネスマンに非常に有用だ。仕事の量は減らせない、でも質を下げるのは論外。その厳しい線を突き詰めた「読み・書き」のノウハウは、情報を選りすぐって血肉とし、知的生産へと昇...もっと読む
著者プロフィール
福田和也(ふくだ・かずや)
1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。同大学院修士課程修了。
現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。
93年『日本の家郷』(新潮社)で三島由紀夫賞。『甘美な生活』(新潮社)で平林たい子文学賞、『地ひらく——石原莞爾と昭和の夢』(文藝春秋)で山本七平賞、『悪女の美食術』(講談社)で講談社エッセイ賞を受賞。
『大宰相・原敬』(PHP研究所)、『昭和天皇』(文藝春秋)、『其の一日 近代日本偉人伝』(新潮社)、『「贅」の研究』(講談社)など著書多数。