FOK46—フォークオーケン46歳
【第6回】まずコードCと、そして新宿渋谷から

「ギターをね…ギターを始めてみようかと思うんだ」
そう言ってさまざまな仕事の現場でゴダンをギグバックから取り出して見せた時の、周りのギタリストたちの反応は、おおむね似たようなものであった。
「ん? ギター? ああ…」

…そういうことを言い出すやつをオレは(私は)今まで何人も見てきた。わかってる。自分を変えてみたいとか新しい何かをとかそんなんだろ。続かない。わかってる。なぜならその思いつきは、自分は人生においてまだジャッジを受けていない、と考えたいからなのであり、本当にギターをやってみたいと思っているからではないからだ。単なる思いつきであり、あがきなのだ。問題の根本は君が人生の何について今あがいているのか、なのであり、ギターをやりたいか否かではない。だから、ま、しまえよ、その買いたてのゴダン。

と、「ん? ギター? ああ…」のたった一言とチロリ目線一つで彼奴(きゃつ)らはキッパリ表してのける。

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小説 FOK46—フォークオーケン46歳

大槻ケンヂ

30年以上音楽活動を続けてきた、ロックミュージシャンの大槻ケンヂ。楽器演奏と歌を歌うのを同時にできないという理由で、ボーカルに徹してきた彼が、2012年、ギターの弾き語りでのソロツアーを始めた。その名も『FOK46(フォークオーケン4...もっと読む

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