前回のコラムで、日本の下々がお上に抗議しないのは、自ら考える思考を放棄し、「あるべき姿」にとらわれてるからであると書きました。お上は真面目だ、お上は間違ったことを言うわけはない、お上は金に汚いはずはない。なんとバカげた思考でありましょうか。
お上もただの人間の集まりであり、試験に勝ち抜いたり権力を勝ち取ったりしてきた人間です。その辺の下々よりも数倍狡猾で、数倍競争心の激しい人間の集まりにすぎません。その辺の下々と同じ人間であります。人間ですから、間違いもおかすし、欲もあります。清貧な人間であれば、修行僧にでもなっているのです。あえて銭がもうかる職業を選んでいるという時点で、それはもう清貧で真面目な人間なわけがありません。
さて、日本の愚鈍な人々がお上に抗議しないのにはもう一つ理由があります。それは「商取引の原則」を理解していないからです。
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