もしも僕が自閉症ではなく、普通に生まれていたら、どんな人生を歩んでいたのだろうと想像することがあります。
けれども、自閉症ではなく、他の障害を抱えて生まれていたら、どうしていたのかということについては、あまり考えたことはありません。
普通の人が障害者である自分が想像できないのはわかりますが、障害者である自分もまた、他の障害を抱えている自分を想像できないのは、何だか不思議な気もします。
想像上の僕が何をしているのかというと、クラスのみんなと笑っていたり、スポーツをしていたり、いつも何気ない生活の一場面が頭の中に浮かんでくるだけです。
こんなはずではなかったという思いは、誰もが持っているものなのでしょう。
自閉症である自分を受け入れている僕にも、そんな気持ちは、残っているのかもしれません。