第22回】現役女子大生が考える、女性が活躍する社会とは

今年1月に開催されたダボス会議では安倍首相がウーマノミクスを世界に向けて発信した事が話題となった。これからの日本における、女性の役割とは。これからの社会を担う世代の女性たちはなにを思うのか。
折しも、この夏「学生版ダボス会議」HPAIRが東京で開催される。ハーバード大学との共同で、開催に向けて奔走する4人の現役女子大生たちに話を伺った。


HPAIRを運営する慶應義塾大学の学生たち

今年1月に開催されたダボス会議では安倍首相がウーマノミクスを世界に向けて発信した事が話題となった。これからの日本における、女性の役割とは。これからの社会を担う世代の女性たちはなにを思うのか。

折しも、この夏「学生版ダボス会議」HPAIRが東京で開催される。ハーバード大学との共同で、開催に向けて奔走する4人の現役女子大生たちに話を伺った。

日本の良さを世界中の学生に伝えたい

---学生版ダボス会議とも言えるHPAIR ですが、会議について少し教えて下さい。今年は東京での開催が決定したようですが、東京で開催をしようと思った理由はなんですか。

田中 第一に、日本の良さを世界中の学生に伝えたかったからです。和食や、アニメ、着物など、日本の文化を象徴するものはたくさんありますが、そのような自分たちの文化を発信し、海外の人に体験してもらうことが昔から大好きでした。

文化以外でみても、近年たくさんの「日本ならでは」の革新的な技術・ビジネスが発展してきました。そのような点を考慮しても、日本の首都東京が、世界中の学生に刺激を与える舞台になり得るのではないかと自信を持っていました。

越野 他にも、海外で日本の紹介や日本人の視点を提供できる学生の数が非常に少ないことに危機感を感じたことが大きいです。日本からどのように海外学生にインパクトを出せるかを考えた時に、HPAIRは日本を様々な面から知ってもらえるこの上ない機会だと思い誘致活動に加わりました。

また個人的には、ドバイ会議の時に、日本人として文化紹介をすることができず、悔しい思いをしたことも理由の一つです。前回日本をアピールしきれなかった分、東京では盛大におもてなしの精神で学生を歓迎し、沢山の文化体験の場を提供できればと思います。

西口 「東京がどんなに発展しようが誰も世界のことを知ろうとしない」わたしが東京という大都市で過ごしてきて世界と人々の認識の間にある見えない壁の大きさに問題意識を感じていました。政治の壁は厚く、世界はあまりにも広い。日本の地方でうまれ育ったわたしにとって海外は遠い存在だったのですが、東京で高校生活を送ることになっても大学に進学してからもそれは変わらなかったんです。

では、どうすればいいのだろうか。世界に行けないのなら、見れないのなら、「東京に世界を持ってくれば良い」。そう思い立ったのが招致のきっかけです。

小松 HPAIR東京開催を機に、もっと日本の学生がHPAIRだけにとどまらず、国際学生会議に興味を持ってくれればいいなと思います。留学経験や国際会議の出席歴など、海外経験がない日本人学生は、多くの気づきや驚きを得られると思うからです。HPAIRは規模も大きく、スピーカーも世界的権威がたくさん集まるので、国際社会に触れる、非常にいいチャンスだと思います。

世界中の人と繋がり、知見を広げ、成長したい

---なるほど。それではみなさんが、そもそもHPAIRのような海外の会議に参加しようと思ったきっかけを教えて下さい。

田中 私は国際交流が好きで大学時代は長期休みの度にどこか海外に飛び出していましたが、こんな大規模で学術的な会議は初めてでした。会議に参加した一番の理由はやはり、海外の学生から刺激を得たかったからです。

と同時に、アカデミックな場面での英語力も含めた自分の非力さを痛感したかったからというのもあります。大学で国際政治を専攻する中で、日本以外の国々の人の意見を聞いて、知見を広げたいと思っていたというのもあります。

越野 私も、長期休暇は必ず海外のプログラムに参加し、現地学生と交流することに決めています。HPAIRが特に魅力的だったのは、他に類を見ない規模の学生会議を一流大学であるハーバード大学が主催しているという点でした。

バン・ギムン国連事務総長を初め、過去のパネルディスカッションの登壇者リストで錚々たるスピーカーの名前が見受けられたことに加え、アジアを中心とした世界中の優秀な学生達と繋がり、成長できることに期待をして、参加を決めました。

小松 大学2年次の留学中に感じた、ほかのアジアの国からの留学生との、海外志向への差を感じたからです。私が留学していた大学では、私が唯一の日本人でした。それに比べ、中国、韓国、ベトナムからはかなりの学生が留学しにきていました。そこで、もっと自分自身、海外に目を向ける必要があると感じたからです。

---会議を通して何を学びましたか。

田中 海外の学生の発言力・知的好奇心の強さにとにかく圧倒されました。どんな些細なことでも常に懐疑心をもって突き詰めて行くことの大切さを学びました。自分はいつも何も考えずに浅はかに生きているなあと思い、もっとアンテナを張って生活していこうと思いました!

越野 海外学生と議論を戦わせる中で、彼らの本質を理解するまで徹底的に質問をする姿勢や、そこから自分の意見を形成し、著名なスピーカーにも積極的に議論していく姿に圧倒されました。また大学院生が多かったこともあり、知識の幅や専門性の深さにさらなる知的好奇心をそそられました。

さらに、これらの学生会議を通して、パキスタンやカザフスタン等あまり関わりのない国の学生と知り合えたことで、教科書やテレビではわからない彼らの生の価値観に触れられたことも、とても勉強になりました。

小松 国によっても、本当にいろいろな人達がいて、「国民性」という括りはあまり存在しないのだなと思いました。また、自国の政治に非常に熱心な学生が多くいたことにも驚きました。投票を棄権する若者が多いことに問題意識を覚え、草の根運動をしている学生と話したことを鮮明に覚えています。その生徒は自分が本当に社会を変えられる、変えなければいけないと考えていて、その「熱さ」は同年代として素直に尊敬しました。

目の前にいる女性から直接インスピレーションを受ける経験が重要

---ここからは女性というキーワードで質問をしていきたいと思います。HPAIR という会議を東京で開催するにあたって、女性の社会進出について扱っていく予定はありますか。

西口 意外に思われるかもしれませんが、HPAIRの女性参加者は多く、半数程度を占めています。特に分科会で女性に特化したテーマは設定しない予定ですが、女性特有のキャリア形成の参考になるよう、世界で活躍する女性に多く登壇して頂けたらと考えています。

越野 会議では、日本やアジアで活躍される女性リーダーを取り上げたいと思っております。女性が社会での存在感を高めるためには、女性が働きやすいと感じられる環境作りが大変重要な課題です。しかし、その前に女性が、目の前にいる女性から直接インスピレーションをもらい「憧れ」を抱くことが、何もよりも社会を変える大きな原動力となると信じています。

どんなチャレンジも可能であり、たくさんのチャンスが溢れ、自分の選択肢の幅を広げられる学生時代こそ、「肌で直々にインスピレーションを受ける」経験が必要だと思うので、日本を代表する女性陣をお呼びできたら良いと思います。

田中 HPAIRは、アジア・中東・ヨーロッパ等、多様な国から参加者が集うので、女性の社会進出について議論をする機会を設けるのは面白そうです。ただ、国によっても状況がかなり異なります。ですから、「女性の社会進出」以前に「女性の権利」というレベルで教育面などといった視点から話し合う必要があると思います。

教育といえば、パキスタンのマララさんが思い浮かびます。去年はドバイだったので中東の参加者も例年と比べてかなり多く、マララさんと同じパキスタン出身の女性の方もたくさんいました。彼女達は他の参加者と比べても議論にとても積極的で好奇心旺盛なのが印象的でした。

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田村耕太郎

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