2月14日はバレンタインデー。一年のうちで最もチョコレートが売れる時期です。人にあげるチョコを買う人、自分のためにチョコを買う人、いろいろいらっしゃると思います。ここで少し視点を変えて、チョコを買うだけではなくチョコにあわせて日本酒を買うのはいかがでしょうか?
チョコにあうお酒といえば、最近ではウイスキーやブランデーのほかに、貴腐ワインやデザートワイン、リモンチェッロなどが紹介され、バレンタインの催事でも販売されています。でも、じつは日本酒のなかにもチョコとあわせておいしいお酒があるのです。それが「
今回の「今宵語りたくなる日本酒のはなし」はバレンタイン特別編として、チョコにぴったりの日本酒、貴醸酒のお話をしていきたいと思います。
そもそも貴醸酒ってなあに?
貴醸酒は、やや特殊な造り方をする日本酒です。ふつう、日本酒はお米に水を加えて造られます。ところが、水だけではなく日本酒を加えて造る、日本酒から日本酒を造るのが貴醸酒になります。
日本酒で仕込むことで、通常の日本酒よりもさらに甘く、少しとろみがある、濃醇な味わいのお酒になります。また、長期熟成にも耐えられるお酒なので、じっくりと熟成して旨味や風味を増していくお酒でもあります。
ベースが日本酒ですので、ウイスキーやブランデーに比べるとアルコール度数が低く、飲みやすいです。それでいて、芳醇な香りと味わいは負けていません。貴腐ワインとは甘さの成分が同じだったりしますが、貴醸酒は米由来ならではの複雑な旨味も併せ持っています。
単体で飲んでもおいしいし、お肉など脂っこい料理にあわせてもおいしいお酒です。
食べ合わせによってはマリアージュも!
では、そんな味わいの貴醸酒は、どのようにチョコと相性がいいのでしょうか。くわしく説明していきましょう。
お酒と料理の相性は大きく分けると次の3種類があります。
1.料理の味の強さと日本酒の味の強さを合わせる、バランスタイプ
2.油っこい料理をさっぱりとさせる、口の中を洗い流すタイプ
3.日本酒と食べ物の味が合わさって新たな味が生まれる、マリアージュタイプ
※さらにくわしく知りたい方は【第3回】ヨーグルト×日本酒!?コンビニのお菓子と食べ合わせてみようの説明を参照してください。
チョコと貴醸酒は、どちらも強い甘さを持っています。これが1のタイプにあたり、両者の味のバランスがとれることでおいしさを発揮するのです。だから、チョコレートと貴醸酒はあうのですね。これは貴腐ワインがチョコレートとあうのと同じ原理です。
しかし、それだけではありません。チョコと貴醸酒の味の方向性や、食べ方を工夫することで、3のタイプのマリアージュが実現し、さらにお互いの味を楽しむこともできるのです。