やめる」って言ってから、気持ちの重さがそろった

2013年のデビュー以来、まさに「快進撃」と言える勢いで人気を拡大してきたロックバンドKANA-BOON。地元大阪の高校で結成したバンドは、ライブハウスでお客さんを徐々に増やしながら地道な音楽活動に励んだそうです。しかし、高校を卒業して1年後、ボーカルの谷口鮪さんは「KANA-BOONをやめる」と言いました。果たしてその胸中はどんなものだったのでしょうか?

根拠のない自信はずっとあった

— 今回『結晶星』というニューシングルがリリース(2/26)されますが、この曲の歌詞の中に「いつか見たあの日の劣等星」という言葉が出てきますよね。「劣等星」というのは、自分自身が見てきた環境にとっても、リアリティのある言葉だった?

2nd Single「結晶星」2014/2/26発売

谷口[Vo/G] そうですね。そういう環境を見ていたから出てきた言葉かもしれないです。ただ、「劣等星」というのは、自分たち自身のことなんです。僕らは高校を出てからもバンドを続けてきて、でも、なかなか思った通りにいかなかった。自分たちが目指していたところにたどり着けないし、その方法もわからなくて。そういう自分たちが「劣等星」とか「欲望星」だったんだろうなって思います。

— 「キラキラと輝いているその姿が 欲しいと願った欲望星」という歌詞もありますが、夢見ていたものが手に入らないというそのときの現状を歌っているんでしょうか。

谷口[Vo/G] はい。

— 傍目から見たら、KANA-BOONは華々しくメジャーデビューして成功しているバンドに見えるんですけれども。でも自分たちとしては楽な道を歩んできた実感はない、ということ?

小泉[Dr] ないですね。

谷口[Vo/G] 周りが思うほど楽な道のりじゃなかったと思います。

— 確か谷口さんは、中学生の卒業文集の時に「17歳でインディーズデビュー、20歳でメジャーデビューする」って書いていたそうですが。

谷口[Vo/G] でも、あれは口だけですよ(笑)。どうやったらそんなサクセスストーリーをたどれるか、わからなかったし。ライブハウスに出続けていれば、誰かが見つけてくれて、華々しくデビューできるんだと思っていた。でも、根拠のない自信はずっとありました。必ず自分が思い描いていた存在になるという。本気でそう思っていたんだと思います。

— デビューして大きな存在になるという思いは、メンバー全員が最初から共有していたんでしょうか。

小泉[Dr] それは途中からですね。僕は最初、高校を出て美容師になろうと思ってたんですよ。それで専門学校に通って。でも、一年経ったくらいに、バンドのほうが合ってるなと思って、こっちに本腰を入れようと思った。でもなかなか親には言えず、ウヤムヤにしながら卒業して。バンドがオーディションで優勝したところで、初めてバンドでやっていきたいって親に言った。

古賀 [G] そこまで言わなかったんや!(笑)

小泉[Dr] 最初は反対されましたからね。今は父親も応援してくれてますけど。旅行先のお店でバンドのこと言ったり、宣伝部長になってくれてます(笑)。

古賀 [G] 僕も、一度就職してるんです。バンドをやめるつもりはなかったんですけど、仕事と両立してやっていこうと思っていた。4人全員の気持ちが固まったのが卒業して1年後、19〜20くらいの頃でしたね。(谷口)鮪が「KANA-BOONをやめる」って言ったんですよ。

— それはどうして?

古賀 [G] その時、別のバンドのサポートでベースを弾いていて、そっちでデビューする話があったんです。で、僕らは鮪がデビューしたいのを知ってたのに、それを止めるほど努力してなかったって。だから、そこからちゃんとバンドに本腰を入れようという気持ちが固まったんだと思います。

— 谷口さんとしても、それは狙い通りだった?

谷口[Vo/G] そうですね。そもそも僕はKANA-BOONをやめるつもりはさらさらなかったんです。未来も見えていたし、メンバーが離れるとも思ってなかったし。
 ただ、バンドが何の進展もなくて、その中でメンバーの気持ちの重さが違うんじゃないかと思って。「ちょっとビックリさせたろ」ってくらいの気持ちで言ったら、思いのほか刺さったという(笑)。だから、そのときみんなの気持ちが初めてそろったのかもしれないです。

目の前の1人に「本当によかった」と思ってもらわないと

— そこからKANA-BOONは地元大阪のライブハウスで徐々に集客を増やしていきます。お客さんを1人から10人、10人から100人に増やしていくというのは、難しいことでした?

谷口[Vo/G] 大変でしたね。まず知らない人を日時と場所を指定して呼ぶこと自体に難しさがあるんですよ。たとえば街に出て「今から言いたいことがあるので一週間後のこの場所に集まってください」って言ったとして、そこに何人が来てくれるか。
 で、僕らがやっているのは音楽だから、まず曲を聴いてもらわないといけない。1人を10人にするには、目の前にいるその1人に「本当によかった」と思ってもらわないといけない。世に広めたい、人に知らせたい、友達とか恋人に教えてあげたいって思わせないといけない。よさをわかってもらうことって、自分たちだけではできないんです。

— 単に「いい音楽を作ってたら売れるはず」ということではない。

谷口[Vo/G] それは絶対にないと思ってますね。そもそも誰かに聴いてもらわないと「いい音楽」だと思ってもらえないので。
 結局のところ、僕らは自分たち自身が気持ちいい音楽をやっているというのが根っこにあるんです。僕らを好きでいてくれる人は、そことの波長があうんだと思う。だから、それが受け入れられるのは嬉しいですね。でも、まだまだ現状には満足してないです。僕らが思い描いている夢は、もっと大きいものなので。

KANA-BOON『1.2. step to you』

構成:柴那典、撮影:喜多村みか


さらなるインタビューが、dmenuの『IMAZINE』でつづいています。
「犠牲の対価ではなく、人の気持ちを集めたから『結晶』になった」KANA-BOON
ぜひこちらからお読みください。

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特典DVD:チケット即日SOLD OUTとなったワンマンライブ 「僕がステージに立ったら」大阪公演の模様を映像化! ワンマンツアー・チケット最速先行抽選受付シリアルナンバー封入 通常盤

結晶星(初回生産限定盤)(DVD付)
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「KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー」のご案内

5月17日(土) 東京 新木場 STUDIO COAST (OPEN 17:00 / START 18:00)
5月18日(日) 北海道 札幌 PENNY LANE 24 (OPEN 17:30 / START 18:00)
5月30日(金) 石川 金沢 AZ (OPEN 18:30 / START 19:00)
6月01日(日) 新潟 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE (OPEN 17:30 / START 18:00)
6月07日(土) 宮城 仙台 MACANA (OPEN 17:30 / START 18:00)
6月12日(木) 愛知 名古屋 DIAMOND HALL (OPEN 18:00 / START 19:00)
6月14日(土) 福岡 福岡 DRUM Be-1 (OPEN 17:30 / START 18:00)
6月15日(日) 広島 広島 CLUB QUATTRO (OPEN 17:00 / START 18:00)
6月21日(土) 大阪 なんば Hatch (OPEN 17:00 / START 18:00)
※2月26日発売 2nd Single『結晶星』の初回生産限定盤、通常盤・初回仕様ともに最速先行抽選受付のシリアルナンバーが封入されます。

<HP先行> 2014年3月11日(火) 12:00~3月17日(月) 23:59まで  ※詳細は追って発表いたします。
<一般発売日> 2014年4月6日(日)
<チケット料金> 前売り¥3,500/当日¥4,000  ※ドリンク代別

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イマ輝いているひと、KANA-BOON「それをアホみたいに信じてきた」

KANA-BOON

2013年のデビュー以来、まさに「快進撃」と言える勢いで人気を拡大してきたロックバンドKANA-BOON。昨年秋にリリースされた1stフルアルバム『DOPPEL』がオリコン3位を記録、圧倒的なライブパフォーマンスでファンを一気に拡大し...もっと読む

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moyasi_22 かなぶーんの記事が全編無料で読めます/【後編】 4年以上前 replyretweetfavorite

hiroshikatsu 「まず知らない人を日時と場所を指定して呼ぶこと自体に難しさがあるんですよ」本質である。 https://t.co/md42wbNCni 4年以上前 replyretweetfavorite