後編】「嫌われる」ことは、自分の人生を生きることだ

アドラー心理学のエッセンスを凝縮した『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著、ダイヤモンド社)。同書の大ファンだという安藤美冬さんと著者の一人である哲学者の岸見さんによる対談の最終回です。「トラウマは存在しない」「自己肯定するな」などと、従来の心理学のイメージを覆す考え方が満載のアドラー心理学。本書のタイトルとなった「嫌われる」という言葉も、一見ネガティブに聞こえますが、実はとてつもなく前向きなメッセージが込められていました。(構成:宮崎智之)

安藤美冬(以下、安藤) 私の悩みを少し相談させてください。実は私、すごく人見知りなんです。そう見えないとよく言われるんですけど(笑)。特に知らない人がたくさんいるパーティーに出席するのがすごく苦手で。出席するたびに寿命が縮まる思いになります。

岸見一郎(以下、岸見) なぜですか?

安藤 どうも居心地がわるいというか。「ここにいていいんだよ」という承認を誰からも貰えていないような気がして。

岸見 それは、安藤さん自身が「自分は人見知り」という感情を作り出しているんじゃないですかね。つまり、私が初対面の人とあまり話ができないということの理由づけとして作り出している感情だと言える。緊張するのは、人見知りだからではありません。「自分が気に入られないんじゃないか」「会話が盛り上がらないのではないか」という不安が的中したときの言い訳として、「自分は人見知り」という理由が必要なのです。

安藤 なるほど。対人関係で傷つくのが怖いから、納得できる理由を作っているわけなんですね。

岸見 安全弁を残しておきたいと考えないで、対人関係に踏み出す「勇気」を持つのです。そもそも、他者との関係がうまくいかないかもしれないのは自分だけではないですよね。その場にいる全員に当てはまります。だから、自分だけにことさらに他者を怖がる理由があるわけではありません。自らがまず、いわば武装放棄する必要があるんです。

安藤 じゃあ、初対面で打ち解けやすい人とそうでない人がいるのは、なぜなんでしょうか? 初回から会話が盛り上がる人もいれば、何回会っても一向に距離が縮まらない人がいるんです。

岸見 それは、「誰と出会っても打ち解けないようにしよう」と相手が決心しているんでしょうね(笑)。その人も安藤さんと同じ不安を抱えているということです。

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自由に生きるための武器・アドラー心理学—岸見一郎×安藤美冬対談

安藤美冬 /岸見一郎

「自由とは他者から嫌われることである」——フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称されるアドラーの思想が、哲人と青年の対話を通して学べる書籍『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著、ダイヤモンド社)。cakesでの連載をまとめた...もっと読む

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RehappyForAll 厳しくも自由になれる方法 4年弱前 replyretweetfavorite

hitomixxh アドラー心理学、おもしろいな。原因を過去に求める心理学の手法にはもうあきあき 4年弱前 replyretweetfavorite

nigeroseiunsky 勇気。 そして、勇気。 約4年前 replyretweetfavorite

chrhsmt 「今、この瞬間」の心理学 約4年前 replyretweetfavorite