第9回】CDを殺したiTunes 音楽業界の「見えない未来」

CDが売れなくなり、さらに音楽番組自体の視聴率も落ちた。視聴率とCD売り上げの相乗効果はなくなり、ひたすら落ち込むばかりだ。音楽レコード店も衰退し、生き残りを問われている。実は、そんな業界の構造変化に一役買ったのが、10年前に始まったアップルの音楽配信サービスの「iTunes」なのだ。

これはアップルを根底から変えるプロジェクトだ—スティーブ・ジョブズ

 今年9月中旬に報道された一つのニュースに、日本の音楽ファンはうなだれた。

 それは1994年から18年間続いたフジテレビの人気音楽番組「HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP(HEY!×3)」(月曜午後8時~)が年内にも放送が打ち切られるというもの。

 「また、一つ減っちゃったな」とニュースを聞いた音楽業界関係者は肩を落とす。というのも、テレビのゴールデンタイムの歌番組は2010年にTBSの「うたばん」が終了したばかり。人気番組でさえ次々打ち切りになるという逆風に音楽業界はあえいでいる。

 2000年代前半までテレビ番組はまさに音楽業界とのウィンウィンの関係で成り立っていた。HEY!×3の最高視聴率は96年に記録した28.5%。それを支えていたのが人気アーティストで「テレビに出演すればCDが飛ぶように売れた」と関係者は述懐する。

 しかし、10年もしないうちに風景は一変した。CD自体が売れなくなり、さらに音楽番組自体の視聴率も落ちた。視聴率とCD売り上げの相乗効果はなくなり、ひたすら落ち込むばかりだ。

 図3‐6を見てほしい。昨年の国内のCD生産高は2085億円と、10年前と比べて50%を割り込んでいる。おのずと音楽レコード店も衰退し、当時の約3分の1の水準である約630店が生き残りを問われている最中だ。

もうけの仕組みを
バラバラにされた

 実は、そんな業界の構造変化に一役買ったのが、10年前に始まったアップルの音楽配信サービスの「iTunes」なのだ。

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日本を呑み込むアップルの正体【3】~アップルが変えた市場のルール

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