パート6. そして2vs12 折口歩乃果[16:00−]在所惟信[16:06−]

それでも自殺したがるってことは……よっぽどつらかったんでしょうね、徳永くん――高校2年生、徳永準の自殺予告メールがネットに流出しました。頭脳派、お人好し、リーダー気取り、犯罪者まで入り乱れて彼と彼を導く殺人鬼(?)〈17〉に迫ります! 15人24時間の大晦日から始まる群像サスペンス長編! 読みはじめたら止まれない、ライトノベル史上〈もっとも長い一日〉をご堪能ください。(イラスト:箸井地図)

折口歩乃果オリグチホノカ [16:00−16:08]

 荻窪のホームで枯野氏他と合流した時、わたしたちは、なんだかとっても不思議な気持ちになってしまったのだった。
「はじめましてー、ホノカと申します者ですー!」
 でも他のみなさんは、もうちょっとぎこちなくて。
「初対面……っていうのかな、これ。はじめまして、枯野です」
「在所──じゃなかった、ええと、ノブです」
「あ、はい、あの、亜希穂、名前は渡部っていいます、あの」
「マーチです」
「西です。よろしく」
「初めまして。ヨシノです。二班の班長を勤めております」
 みんなのオーラが点滅してる。どういうキャラでいけばいいのか、迷ってる証拠だ。ネットの掲示板で友達になって、オフ会で初めて逢うのってこんな感じなのかな。瞬間的な、ぎこちなさ。わたしはあんまりネットやらないけど(うちはそんなに裕福ではないのですよ)、でもエミリとか安曇あずみから話は聞いてたんで、なんとなく想像できた。
 初対面の相手ばっかり、ということは、ふだん学校で見せてるのとはぜんぜん別の人間になってもいいわけだし。このチャンスを逃すのはもったいない。でも、最後まで演じきれるかどうか不安が残る。だからみんな迷ってる。
 演技というほど意識的ではないけれど、わたしたちはみんな、いつだってキャラを使い分けてる。かくいうわたしだって、きっとそう。あんまり自覚はないけれど。
 ちなみにこの〈初対面の旧友〉に対するわたしの印象は、この時こんなふうに変化したのでした──

 枯野透さん  :大人っぽい。大学生か、もしかしたら二十代後半。安心できる。
  →御対面後 :見た目キュート系、子供みたいに純真な笑顔。
         オレオレ詐欺には一発で騙されそう。色はキラキラ、星のよう。
 渡部亜希穂さん:白百合お嬢さま。色白、細身、病弱、薔薇の学名のあだ名つき。
  →御対面後 :悪い白百合お嬢さま。ぜったい放課後は親に隠れて遊んでる。
         ちょっと気が弱そうな感じ。枯野氏に恋してるのは一目瞭然。
         でも、つき合ってるという感じではないみたい。
         マラソンでもしてたのか、服がすっごい汗まみれ。色は薄紅色。
 そして班長さんとやらは、

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15×24(イチゴーニイヨン)link two 大人はわかっちゃくれない

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高校2年生、徳永準の自殺予告メールがネットに流出しました。彼を救うべく懸命に彼を探す捜索隊、否応なしに巻き込まれる者、別の思惑を抱くもの、そして殺人鬼まで……!? 15人24時間の大晦日の長編群像サスペンス、こっからが本番です! 読み...もっと読む

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