新幹線の雨

重度の自閉症を抱えながらも、社会を鋭く見つめている作家・東田直樹さんの連載です。
全国各地で開催される自閉症に関する講演会に、日々引っぱりだこの東田さん。新幹線で移動する機会も多いようですが、その際、どうしても心動かされる現象があるようで……。
日常のささやかな感動がいとおしくなるような、今回のエッセイです。

 新幹線に乗っている時の雨は、とても神秘的です。
「横殴りの雨」という表現がありますが、横一線に流れる雨粒が見られるのは、新幹線に乗った時だけではないでしょうか。

 それだけ早いスピードで移動しているからだと理屈ではわかります。けれども、僕にはこの雨が、特別なメッセージを伝えてくれているような気がしてならないのです。


 雨は普通、空から地面に向けて落ちていきます。その時々で強さは違いますが、一定のリズムを持っていると思います。
 僕は雨音が、時を刻んでくれていることに気づきます。そして、知らぬ間に数を数え始めるのです。体の中を突き抜けるようなリズムが耳にこだまします。

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跳びはねる思考—22歳の自閉症作家が見た世界

東田直樹

「僕は、まるで壊れたロボットの中にいて、操縦に困っている人のようなのです。」 会話ができないもどかしさや意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切につづってきた重度自閉症の作家・東田直樹。 小学生の頃から絵本...もっと読む

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コメント

Kanaerror 素敵なエッセイ。 > 4年弱前 replyretweetfavorite