日曜は女を抱く日!? おじさん二人の仁義なき戦いが始まった【第15回】

ジョンさんとすずきゅうのやりとりに、スプリガンボルタさんからの待ったが入りました。なにやらかなり熱意にあふれた意見が飛び出しているようで……。
ごく普通の会社員であるジョン・ヒロボルタさんが血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー! 『TVBros.』で連載中の超異色連載が、水・土更新で一挙再掲載です。

群馬の高校2年生美術部員・すずきゅうボルタ(座右の銘:群馬で一番キチったやつになる)を、この夏渡米させて、一皮むいてやりたい—そう決意した自称美術教師のジョン・ヒロボルタは、無断で彼のニックネームを冠したブランド「ZQN」を立ち上げ、そこで「ZQNTシャツ」を発売することで旅費を捻出しようと画策する。前号では読者の皆様から寄せられたTシャツのデザイン案を紹介しましたが、実はヒロボルタはその裏で、教師としての威信をかけ、とある読者と壮絶な駆け引きを繰り広げていたのでした…。

実録! 未知との遭遇
スプリガンボルタ(42)

手厳しいご意見に僕の心が揺らいだ

 4/27都内某所でイベントに参加していたとき、ケータイが鳴りました。非通知です。このパターンは十中八九がこのページを読んだブロス読者の方。もう慣れました。ただ仕事中だったので「申し訳ございませんが、メールいただければ返信します」と途中で切りました。その後来たメールは、かなり厳しいご意見でした。

ブロス読む所多くて見逃してたけど、すずきゅう…お前がやった事は斬新でもイカレても無いぜ! カルト映画のフラミンゴ、スティーブン・キングの小説ロングウォークでさえそんな下りは出てくる。ただ今回ネタを後出しにしたのは失敗だろ?

最初っから勝負しなかったお前さんの負け…時間経って少し頭冷えたろ。周りに当たるんじゃなくて、自分に近い作家の作品を見たり本を読んだりしてみな。海外に行くのはそれからでもイイと思うぜスプリガントラボルタは。まだまだ国内で学べる事は沢山あるんじゃないか? (メール原文ママ)

 いろいろ突っ込みどころはありますが、ウンコで絵の具を作ったのは他でもない僕なので、自分に対しても厳しい意見だと感じました。「じゃあ、お前がやれよ」と少しイラっと思ったくらいです。

 そんなメールを送ってくれた彼こそが、前号で

「日曜は女を抱く日」

という名言とともにご紹介させていただいた、スプリガンボルタさん(埼玉県在住42歳男性)です。彼とはこれをキッカケに、その後、幾多ものメールや電話でのやり取りをすることになります。

自分を上回る逸材ぶりに脅威

 何より僕が脅威に感じたのは、彼がメールで記したその実力でした。

絵はもう書いてないけど水彩画。下手くそでも運が良ければ

日本3位

に入ってトロフィーと賞状に副賞貰えるんだ。スプリガントラボルタの経験からすると、一度認められる事が大切! それだけで周りの目変わるからさ(^w^)

 その上、彼はかなり顔が広いようでした。

こんな埼玉のおっちゃんでも長く業界の端くれやってると、こんな程度の繋がりは出来てくるよ(^w^)

 さらにその後、追い討ちをかけるがごとく、すずきゅうと僕への指導の数々が続きました。

すずきゅうボルタ君へ この前書いた作品の自己評価ってか、説明は必要だと思う…どんな芸術家でものちのち問題になるから! これは芸術の世界じゃ当たり前だし、みんな必要とする知識だよね? スプリガンボルタは普通の人より少し芸術の事勉強したからキツい事も言います。

 もはや彼こそが、自称美術教師の名にふさわしい存在です。

スプリガンボルタと向き合うことを決意

 しかも、Tシャツをプリントしてくれる会社や、協力してくれる知人まで、次々と自主的に当たってくださるスプリガンさん。僕は“暴走”にかけてはそれなりの自信がありましたが、彼の暴走はそれ以上の勢いです。これ以上、彼の手を煩わせるわけにはいかない。僕は彼に対する嫉妬心を捨てて、真摯に向き合うことにしました。そして、彼の勢いに圧倒されながらも、電話越しにこう言いました。 「自分は誰かすごい人を紹介して欲しいわけではないし、すずきゅうの自主性に任せたい。そして僕はスプリガンさん、あなたにも絵を描いて欲しい」

 すると、5/7頃からメールに変化が見えました。

あっ、知っていましたか! さすが先生(^w^)

 それまで僕のことを「ジョンさん」と呼んでいたスプリガンさんが「先生」と呼んでくれるようになったのです。もしかしたら自分も教師として一生懸命になっているのが伝わったのかな? そう思いました。それからも僕は、経験も実績も全て上である彼から多くのことを学ぼうと、必死に喰らいつき続けました。するとある日、こんなメールをいただきました。

昨日電話ですずきゅうボルタ君の話しが少し出ましたけど…ダメになる絵描きパターンの人に多い感じが…実は先生困ってませんか?

 僕はこのメールで気づかされました。すずきゅうを“高校生”として見ていたということを。しかし、スプリガンさんは「絵描き」と言ったのです。僕もこの日からすずきゅうを駆け出しの“絵描き”として見るようになりました。

前号の呼びかけで…

 幾度となくZQN Tシャツのデザインを依頼したところ、「自分は絵の世界の人間ではないんで…」と言って、頑なに拒んできたスプリガンさん。僕はとうとう前号の誌面で彼に向かって「デザインを送って欲しい」と改めて呼びかけました。すると、こんなメールをいただきました。

本当だったらブロスに呼びかけられるなんて光栄な事なんでしょうが、他の方にチャンスをあげて下さいm(_ _)m 自分の立場は教室の後ろに座る万年留年生…特攻の拓に出て来る感じなヤツと思って頂ければ。> <

 やはりダメか…。しかし、特攻の拓の一体どのキャラなんだろう?と思って、半分諦めかけていた頃です。突然、一枚の画像がメールに送られてきました。

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ジョン・ヒロボルタ

泣く子も笑うサブカル雑誌『TVBros.』で連載中の超異色連載『090-6143-2407 ジョンと出会った読者たち』がついにcakes上陸。ごく普通の会社員であるジョン・ヒロボル タさんが血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始ま...もっと読む

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